第3−4


4.韓国デザイン保護法による「タイプフェイス」の登録保護


 

 同法は「デザイン」の定義を改正し、「タイプフェイス(印刷用文字書体)」を「物品」と擬制し、これを定義規定に含める画期的な改正をした。

 

()デザイン権の効力の制限

 書体についてのデザイン権の効力は、

(a)常の過程で書体を使用する場合、

(b)その書体を使用して製作された結果物、

には及ばない。

()書体デザイン関連物品の区分新設

 書体デザインの場合は、ハングル、英文字、その他外国文字、数字、特殊記号又は漢字書体別に区分し、それぞれについて出願しなければならない。これと関連し、物品区分類に第N1類「書体」を新設し、下位分類としてハングル、英文字、その他外国文字、数字、特殊記号、漢字をおく。

()書体デザインの出願図面

 各出願件ごとに別表6で定める〔指定文字図面〕、〔例文章図面〕、〔代表文字図面〕を図示しなければならない。

 別表6には、各書体別に〔指定文字図面〕、〔例文章図面〕、〔代表文字図面〕が図示されており、特に〔指定文字図面〕には登録用文字としてハングルの場合500字、英文字の場合52字(アルファベット大・小文字)、数字の場合10字(0〜9)、特殊記号の場合120字、漢字の場合900字を図示している。

 一方、英文字を除くその他の外国文字の場合、〔指定文字図面〕には当該外国文字のアルファベット全体を記載しなければならない。また、〔例文章図面〕には英文字の代表文章を外国文字に翻訳して記載しなければならず、〔代表文字図面〕には当該外国文字の文字特性を最もよく表す代表文字を記載しなければならない。

 その他にも上記の各図面の作成方法と関連し、用紙の大きさ、余白の大きさ、文字のイメージが表示される領域などに対し具体的に規定されている。

 

()デザイン創作内容の要点

 書体デザインを出願する場合、〔デザイン創作内容の要点〕欄には公知となった書体デザインと比較し、独創的に創作された内容を重点的に記載し、登録要件を判断するのに役立つよう創作された書体デザインの分類を記載することができるようになっている。

 

〔質問事項〕

(1)タイプフェイスの保護は有審査登録制を採るのですか。

 これについては、無審査登録制の方が親しむと思うのですが。

(2)新規性、創作力等の「審査基準」は発表されていますか。解説によると、

「公知の書体デザインと比較し独創的創作点を記載し」とありますが、この

記載は専ら言葉ですることになるとすれば、きわめてわかりにくいことと思

いますが。

(3)文字の区分類別に、出願対象の書体デザインの文字数が異なりますが、

ハングルは500字、漢字は900字などの根拠についての説明がされてい

ますか。

(4)別表6の「指定文字図面」と「代表文字図面」とはどう違うのですか。

 

〔回 答〕(5月25日現在)

(1)タイプフェイスは審査登録制度をとっています。

(2)タイプフェイスに対する具体的な審査基準はまだ整っていません。特許庁へ問い合わせたところ、現在関連審査基準を準備中とのことです。

 一方「デザイン創作内容の要点」の記載と関連し、貴殿のお考え通り、これを文章で記載することは容易ではないと考えられますが、出願する書体の特徴的な部分(例えば角が削られた形態や、書体の角度の特徴等)を特定し記述することができると思われます。

(3)韓国発明振興会知識財産権研究センターのペ・サンチョル先任研究員による「書体デザインの出願要件と関連して」という公聴会資料に、書体デザイン登録のための文字数の指定根拠が明示されています。

 それによると、ハングルの場合の指定文字[500]は出現頻度の重複回数が最低2回以上の文字464字をまず選出し、残り36字は頻度数が比較的高い文字のうち組合わせ構造の特性、文字造形の特性、製作難易度の水準などを勘案、追加して最終選定したものであるということです。

 また、漢字の場合、指定文字[900]は(文化観光部制定)中等教育用漢字である900字を考慮して規定し、その他数字は09までの[10]、英文はアルファベット大文字及び小文字[52]、特殊記号は大部分の書体開発社らが基本的にデザインする特殊記号が100150字であることを考慮して[120]に規定したとのことです。

(4)指定文字と代表文字の違いと関連し、指定文字はいわゆる「一揃いの文字」として、書体の全体的印象と構造、及び特徴を把握できる文字全体(上述のハングル500字、漢字900字など)を指すのに対し、代表文字は該当文字の特性を最もよく表す一部の文字(後述のハングル12字、漢字12字など)をいいます。

 参考までに各書体別の代表文字の選別基準をみると、ハングル[12]は子音と母音の形態、多様な組合わせの構造、終声音の有無などを考慮しできるだけ多様なハングルの形態を含んでいる文字を選定し、英文[6]の場合、大文字と小文字の英文字のうち文字の幅、セリフ(serif)の形態、曲線の流れ、カウンターの形態など、書体の特徴を判断できる文字のうち大文字3字、小文字3字を選別したとのことです。

 また、数字の場合、指定文字10字のうち曲線と直線の組合わせの多様な形態を反映している[6]を代表文字とし、特殊記号の場合セリフの形態、点と線の組合わせ、画数など文字と区別される特殊な形態などを表す[6]を代表文字としたとのことです。

 なお、漢字の場合には漢字の基本構造を大きく三つに分類し、それを再び対称・非対称、具体的・形態的な特徴に区分して28種類に分類した後、その中で使用頻度が高く漢字の多様な形態を反映している[12]を選別したとのことです。