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2018年2月1日



 
近 況 雑 感

1.わが国には「文理シナジー学会」という名の学会が発足し、私は5年間くらいその会員でありましたが、文理のシナジー効果を発揮したようなテーマの研究論文の発表や講演を期待していたのに、そういうものは殆どなかったことから、私自身はいつか特許法の分野について文理シナジー効果を発揮した事例について発表したいと思っていましたが、それができないまま退会しまいました。

 弁理士としての仕事を長年やっていますと、新しく誕生した発明・考案やデザインの創作に対して、それを法律という保護の枠の中で、いかに有効かつ安全に所有者の独占権とするかという問題が、弁理士に期待されるシナジー効果の発揮が強く要求される分野であると考えています。

 それは、発明という新しい技術的思想の創作を、特許請求の範囲(クレーム)というかたちの中に無事包むためには、その発明力をいかに法律的に理解して保護するかを、言葉等によって表現しなければならないのです。

 そのためには、知識と知恵を集中し時間をかけて論理的に考えなければならないのです。特許明細書の作成は、一つの発明をテーマとした論文を書き上げる作業をすることなのです。 

 

近年の弁理士試験の合格者の統計を見て私は驚いています。例えば、平成29年度を見ると、

(1)年齢別の第1位の30代と第2位の40代とでほぼ70%を占め、第3位の20代は22%です。

(2)出身職業別の第1位は会社員の55%,学生は僅か2%でしかないのです。

(3)出身系別では理工系が80%,法文系が15%です。

(4)免除資格のうち、修士博士が79%もいます。

(5)そして大学では、第1位が東大の12%,第2位が京大の6%,第3位が阪大の6%であり、わが母校の中大は第10位で筑波大と並び2.6%,ライバル校だった日大は1%という姿になっているのです。中大の吉原隆次先生や日大の永田菊四郎先生、杉林信義先生がそれを知ったら嘆かれることでしょう。

 このデータを見ると、半世紀前とは全く様変わりしている弁理士業界ということになります。

 

3.ところで、朝日新聞1月24日(水)の「声」欄に、千葉県の佐藤雄一郎さん(無職 81

)が、敗戦の1945年国民学校3年生の時に、国語や算数、理科などの教科書と一緒に墨と筆を持って登校し、戦時中に使用した教科書中の文章などを消去していたことを書かれています。

 その後、私たちは「戦争をしない戦力を持たない平和な国、日本」という憲法の下で、苦難を乗り越えて今日に至っている現実をみれば、「人類の理想」を掲げた最高法規を誇りに思い、世界の人々からも羨望のまなざしを向けられていると述べています。そして、日本国憲法はわが日本国民のものであって、安倍首相や一政党のものではない、と佐藤さんは強調されています。

 われわれ日本人は、現行憲法の第9条の規定の前にある第2章「戦争の放棄」の文字や1項・2項の字句を墨塗りするようなことは決してしてはならないなのです。

 

4.今月の「裁判例研究コーナー」では、次の3件について紹介します。

 

(1)「包装デザイン」著作権侵害損害賠償請求事件:東京地裁平成29年11月10

   日(民46部)判決<請求棄却>➡D−120 (別紙)

(2)登録商標「COVERDERM」不使用取消審決取消請求事件:知財高裁

   平成29年11月19日(1部)判決<認容/審決取消>➡G−244

(3)登録商標「ハート」不使用取消審決取消請求事件:知財高裁平成29年12月

   13日(1部)判決<請求棄却>➡G−245

 

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