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登録商標「キューピー図形」無効審決取消請求事件:東京高裁平成12(行ケ)386号.平成13年5月30日判決(棄却)〔13民部〕

〔キーワード〕 
著作権物、複製、翻案、二次的著作物、公序良俗、不正競争、不正の目的、特許庁の審査、商標法第29条

 

〔事  実〕

 

 被告Q社は、「人形の図形」標章からなり、指定商品を商標法施行令別表(平成3年政令第299号による改正前のもの)による第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」とする商標登録第595694号(昭和35年5月31日出願、昭和37年8月24日設定登録、その後更新、以下「本件商標」という。)の商標権者である。
 原告Kは、本件商標の登録無効審判の請求をし、特許庁は、平成10年審判第35270号事件とし審理した結果、平成12年8月29日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決をした。

〔審決の理由〕

 審決は、本件商標が公の秩序又は善良の風俗(以下「公序良俗」という。)を害するおそれがある商標に当たるから商標法4条1項7号に規定する商標に該当するとの原告の主張について、1.その使用が他人の著作権と抵触する商標であっても、同号に規定する商標に当たらない、2.その使用が不正競争防止法2条1項2号に該当する 商標であっても、商標法4条1項7号に規定する商標に当たらないし 、また、別紙著作物目録記載の著作物(以下「本件著作物」という。)の形態は不正競争防止法2条1項2号に規定する商品等表示にも 当たらない、3.被告が本件商標の登録の取得過程において不正の目的や商道徳違反など非難されるべき事情があったとは認められず、本件商標の登録後に被告が信義則に反し、又は権利濫用的な権利行使をしたとの主張立証もないから、本件商標は、商標法4条1項7号 の規定に違反して登録されたものではないとした。

 

〔判  断〕

 

1 取消事由1(他人の著作権との抵触)について
(1) 著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいい(最高昭和53年9 月7日一小判・民集32巻6号1145頁)、その翻案とは、既存の著作物に依拠し、その本質的特徴を直接感得することができるものを再製することをいう(最高昭和55年3月28日三小判・民集34巻3号244頁 )。また、二次的著作物の著作権は、二次的著作物において新たに付与された創作的部分についてのみ生じ、原著作物と共通し、その実質を同じくする部分には生じないと解するのが相当である(最高平成9年7月17日一小判・民集51巻6号2714頁)。
(2) そこで、図形等からなる商標について登録出願がされた場合において、その商標の使用が他人の著作権を侵害しこれと抵触するかどうかを判断するためには、単に当該商標と他人の著作物とを対比するだけでは足りず、他人の著作物について先行著作物の内容を調査し、先行著作物の二次的著作物である場合には、原著作物に新たに付与された創作的部分がどの点であるかを認定した上、出願された商標が、このような創作的部分の内容及び形式を覚知させるに足りるものであるかどうか、このような創作的部分の本質的特徴を直接感得することができるものであるかどうかについて判断することが必要である。著作権は、特許権、商標権等と異なり、特許庁における登録を要せず、著作物を創作することのみによって直ちに生じ、また、発行されていないものも多いから、特許庁の保有する公報等の資料により先行著作物を調査することは、極めて困難である。
(3) また、特許庁は、狭義の工業所有権の専門官庁であって、著作権の専門官庁ではないから、先行著作物の調査、二次的著作物の創作的部分の認定、出願された商標が当該著作物の創作的部分の内容及び形式を覚知させるに足りるものであるかどうか、その創作的部分の本質的特徴を直接感得することができるものであるかどうかについて判断することは、特許庁の本来の所管事項に属するものではなく、これを商標の審査官が行うことには、多大な困難が伴うことが明らかである。
(4) さらに、このような先行著作物の調査等がされたとしても、出願された商標が他人の著作物の複製又は翻案に当たるというためには、上記のとおり、当該商標が他人の著作物に依拠して作成されたと認められなければならない。依拠性の有無を認定するためには、当該商標の作成者が、その当時、他人の著作物に接する機会をどの程度有していたか、他人の当該著作物とは別個の著作物がどの程度公刊され、出願された商標の作成者がこれら別個の著作物に依拠した可能性がどの程度あるかなど、商標登録の出願書類、特許庁の保有する公報等の資料によっては認定困難な諸事情を認定する必要があり、これらの判断もまた、狭義の工業所有権の専門官庁である特許庁の判断には、なじまないものである。
(5) 加えて、上記のとおり、特許庁の審査官が、出願された商標が他人の著作権と抵触するかどうかについて必要な調査及び認定判断を遂げた上で当該商標の登録査定又は拒絶査定を行うことには、相当な困難が伴うのであって、特許庁の商標審査官にこのような調査をさせることは、極めて多数の商標登録出願を迅速に処理すべきことが要請されている特許庁の事務処理上著しい妨げとなることは明らかであるから、商標法4条1項7号が、商標審査官にこのような調 査等の義務を課していると解することはできない。 (6) したがって、その使用が他人の著作権と抵触する商標であっても、商標法4条1項7号に規定する商標に当たらないものと解するの が相当であり、同号の規定に関する商標審査基準にいう「他の法律(注、商標法以外の法律)によって、その使用等が禁止されている商標」には該当しないものというべきである。そして、このように解したとしても、その使用が商標登録出願の日前に生じた他人の著作権と抵触する商標が登録された場合には、当該登録商標は、指定商品又は指定役務のうち抵触する部分についてその態様により使用することができないから(商標法29条)、不当な結果を招くことはない。
(7) 原告は、取消事由2(不正競争防止法2条1項2号の不正競争) に関し、登録出願に係る商標の審査において具体的な判断に必要 な証拠が入手しにくいとしても、審判においては、個別的な審理がされ、個々具体的な判断のされることが予定されている旨主張し、この点は、取消事由1についても関連するので、一括して判断する。確かに、無効審判においては、口頭審理の原則及び職権審理の方式(商標法56条1項において準用する特許法145条1項、150条、153 条等)が採られ、民事訴訟法の多くの規定が準用されているけれども、商標法46条1項1号は、同項2号ないし5号とは異なり、「その商標登録が・・・第4条第1項・・・の規定に違反してされたとき」と規定し、4条1項各号に規定する、商標登録を受けることができない事由をそのまま商標登録を無効にすべき事由としているから、同法は、これらの事由について、審査の段階においても、審判におけるのと同様の認定判断を審査官が行った上で登録査定又は拒絶査定をすべきことを要請していると解すべきである。また、いったんされた商標登録が無効審判において無効とされることは、当該商標を巡る法的安定性を害し、出願人と第三者の双方に耐え難い不利益をもたらすから、このような事態をできるだけ避けることが望ましく、審査と審判とで認定判断の内容等が異なることを前提とする原告の上記主張は、採用することができない。
2 取消事由2(不正競争防止法2条1項2号の不正競争)について
(1) 被告は、本件商標が登録された昭和37年当時は、現行不正競争る規定が存在しなかったことを理由に、本件商標が同号に違反するとの原告の主張は前提を欠く旨主張するが、商標法46条1項5号は、商標登録がされた後において、その登録商標が同法4条1項7号に掲 げる商標に該当するものとなっているときを商標登録の無効事由とする旨規定するところ、原告の主張は、現行不正競争防止法が施行されている現在において、本件商標の使用が不正競争防止法2条1項2号に規定する不正競争に当たるから、本件商標が商標法4条1項7号に該当し、ひいては同法46条1項5号に規定する無効事由があることを主張するものと解されるので、以下、この点について判断する。
(2) 商標法46条1項1号ないし3号は、これら商標登録を拒絶すべき 事由をそのまま商標登録の無効事由としており、これらの事由の存否は、原則として、登録査定時を基準として判断されるのに対し、同項4号及び5号の無効事由は、商標登録後に生じた事由を商標登録の無効事由としているものである。ところで、商標法等の一部を改正する法律(平成8年法律第68号)による改正(以下「平成8年改正」という。)前の商標法(以下「旧法」という。)においては、商標権の更新登録の出願がされたときには、登録商標が旧法19条2項 ただし書に該当するときは更新登録が拒絶され(旧法21条1項1号)、旧法19条2項ただし書には旧法4条1項7号(現行法と同じ。)に規定する公序良俗を害するおそれがある商標が、他の公益的事由に該当する商標とともに、更新登録が拒絶されるべきものとして規定され、さらに、これら公益的事由に該当することは、旧法48条1項1号において、更新登録無効審判の事由としても規定されていた。平成8年改正は、更新登録に際し、旧法21条に規定するような実体的審 査を行わないこととし、更新登録無効審判の制度も廃止したが、他方、旧法48条1項に規定されていた、その商標を登録することが公 益的事由により好ましくない、旧法19条2項ただし書各号に掲げる 商標に該当するものについては、その事由が登録後に生じた場合であっても登録の無効事由としたものと解される。
 このような平成8年改正の趣旨に照らすと、商標法46条1項5号の 無効事由は、更新登録においてこれらの事由が審査の対象から外され、また、更新登録無効審判の制度も廃止された際に、これらの事由の公益的性格にかんがみ、登録後の無効事由として新たに規定されたものと解するのが相当である。
(3) これに対し、商標法4条1項10号及び15号の事由の存否は、平成8年改正の前後を通じ、規定する事由の存否を、登録査定時に加え て登録出願時をも基準として判断するものとされ(平成8年改正の 前後を通じ同法4条3項)、一般の登録拒絶及び無効の事由よりも早い時点をも基準時としているのであって、もとより後発的な無効事由として規定されてはいない。
 また、平成8年改正において、不正の目的をもって他人の周知の 商標を使用するものが同法4条1項19号として規定されたが、同号の無効事由は、同項7号のような後発的な無効事由としては規定され なかっただけでなく、同項10号及び15号の事由と同様、登録査定時に加えて登録出願時をも基準として存否の判断がされ(同条3項) 、他の登録拒絶及び無効の事由に比べてより早い時点も基準時とされているのである。そうすると、平成8年改正は、登録拒絶及び無 効の事由として新設された同項19号の事由を、同項10号及び15号の事由と同様の性質を有するものとして新設したと解するのが相当である。
 このような平成8年改正の内容に照らすと、同項19号の事由につ いて、旧法4条1項7号に規定されていた公序良俗違反の一類型であ ると解することは相当でない。
(4) 不正競争防止法2条1項2号は、「自己の商品等表示として他人 の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用・・・する行為 」を不正競争と規定し、同項1号は、「商品等表示」とは「人の業 務に係る・・・商品又は営業を表示するものをいう」と規定している 。他方、商標法4条1項10号は、他人の周知の商標と同一又は類似の商標で商品又は役務が類似するものについて、同項15号は、他人の周知の商標と同一又は類似の商標で他人の商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるものについて、いずれも登録を受けることができない旨規定する。
 また、不正競争防止法2条1項1号に規定する「混同を生じさせる 行為」は、他人の周知の商品等表示と同一又は類似のものを使用する者が、自己と他人とを同一営業主体として誤信させる行為のみならず、両者間にいわゆる親会社、子会社等の関係又は同一の表示の商品化事業を営むグループに属する関係が存在するとの誤信(以下「広義の混同」という。)を生じさせる行為をも包含し(最高平成10年9月10日一小判・裁判集民事89号857頁)、商標法4条1項15号に規定する「混同を生ずるおそれ」も、広義の混同を生ずるおそれを包含すると解すべきである(最高平成12年7月11日三小判・民集54 巻6号1848頁)。したがって、その使用が不正競争防止法2条1項1号に規定する不正競争に当たる商標は、同時に、商標法4条1項10号又は15号により登録を受けることができない。
 ところで、不正競争防止法2条1項2号に規定する著名な商品等表 示は、同項1号に規定する周知の商品等表示にも当たるから、他人 の業務に係る商品又は役務と同一又は類似のものに使用される場合には商標法4条1項10号により、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるものについては同項15号により、いずれも商標登録を受けることができない。
 そうすると、その使用が不正競争防止法2条1項2号に規定する不 正競争に当たる商標が登録されるのは、その使用が他人の業務に係る商品又は役務と広義の混同を生ずるおそれがない場合に限られることとなるが、他人の著名な商品等表示を使用してもなお広義の混同を生ずるおそれすらないことは極めてまれであり、また、不正競争防止法が事業者間の公正な競争等の保護を目的とする(同法1条 )のに対し、商標法が商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図ること等を目的としており(同法1条)、両法がその目的を異に することにかんがみれば、その使用が不正競争防止法2条1項2号に 規定する不正競争に当たる商標であっても、広義の混同を生ずるおそれが全くない場合には登録されることとなるが、このような事態が不合理であるとはいえない。
(5) そうすると、商標法は、その使用が不正競争防止法2条1項2号 に規定する不正競争に当たる商標については、商標法4条1項10号、15号又は19号の規定に該当する場合に登録拒絶及び無効の事由とすることにより、その登録を規律することを意図していると解するのが相当であって、その使用が不正競争防止法2条1項2号に規定する 不正競争に当たる商標が一律に商標法4条1項7号に該当し登録拒絶 及び無効とされるべきものと解することはできない。したがって、これと異なる見解に立つ原告の主張は、本件著作物の形態の商品等表示該当性について検討するまでもなく、採用することができない。
3 取消事由3(不正の目的)について
(1) 商標法4条1項7号に規定する公序良俗を害するおそれがある商 標には、その構成自体がきょう激、卑わいな文字、図形である場合及びその構成自体がそうでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するような場合が含まれ(東京高昭和27年10月10日判・行政事件裁判例集3巻10号2023頁。商標法4条1項7号に関する現行の商標審査基準も同旨である。)、さらに、その使用が不正な意図をもってされ、国際信義又は公正な取引秩序に反する場合もこれに当たると解される(東京高平成11年3月24日判・判時1683号138頁、同平成11年12月22日判・判時1710号147頁)。
(2) 本件において、原告は、本件商標の登録出願当時、我が国においてキューピー人形が大流行しており、被告が本件著作物の形態の著名性にただ乗りしたと主張する。
 しかし、上と2のとおり、商標法4条1項7号に規定する公序良俗 違反の事由と、一般の登録拒絶及び無効の事由と異なり、公益的理由に基づとものとして、同項1号ないし3号の事由等と共に後発的無効事由としても規定されているのであるから、このような同項7号 の趣旨にかんがみると、上記(1)のように、同号に規定する公序良 俗違反とは、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念、国際信義又は公正な取引秩序に反することをいうものと解するのが相当である。
 これを本件についてみると、原告が公序良俗違反として主張する事由は、要するに、被告がローズ・オニールの創作した著名な本件著作物の形態を冒用して本件商標の登録を受けた行為が、商品又は役務に関する取引上の秩序に反するというものであり、公正な取引秩序に反することをいう趣旨であるとしても、その実質は、取消事由2において主張する、その使用が不正競争防止法2条1項2号に規 定する不正競争に当たる商標であることをいうものにほかならない。
 確かに、その使用が同号に規定する不正競争に当たる商標であって、本件商標の登録出願当時からこのような事情が継続しているものであれば、本件商標の登録が商標法4条1項10号、15号又は19号、46条1項1号の規定に基づき無効とされることはあり得る。しかし、商標法4条1項7号に規定する公序良俗を害するおそれがある商標と は、上記のとおり、商標の構成自体がきょう激、卑わいな文字、図形である場合及び商標の使用が反社会的なものをいうのであって、単にその使用が不正競争防止法2条1項2号に規定する不正競争に当 たることは含まれないのであり、他に本件商標が商標法4条1項7号 に規定する公序良俗を害するおそれがある商標に当たることを根拠付ける格別の事情を認めるに足りる証拠はないから、本件商標の同号該当をいう原告の主張は、採用することができない。
(3) なお、原告は、被告が、その使用が著作権法及び不正競争防止法に違反する本件商標について自ら登録を受けながら、これを引用して他人の商標登録を妨害していることが商標権の濫用に当たり、登録後の事情においても本件商標の使用が公序良俗に反すると主張するが、この点が審判手続において現実に争われ、かつ、審理判断された形跡のないことは、審決の理由に徴して明らかであるから、審決の違法事由として主張することは許されない。
 付言するに、本件商標の登録に無効事由が認められない以上、原告主張の被告の上記行為は、本件商標について商標権を行使したというものにすぎず、商標権の濫用ないし公序良俗違反に当たるということはできない。

〔研  究〕

1. この事件は、商標登録を無効とする審判請求に対する不成立の審決を争った事案ではあるが、著作権法上のキーワードである「複製」・「翻案」・「二次的著作物」について、高裁の考え方を整理して説示していることは注目される。これらについては、いずれも最高裁の3つの判決を引用している。即ち、「複製」については「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」事件、「翻案」については「写真パロディ」事件、そして「二次的著作物」については「ポパイ・腕カバー,ネクタイ」事件(1)の各判決である。
 これらの最高裁判決は、著作権法の基礎を学ぶ者にとっては最重要判例といえるものである。
2. ところで、本件判決は、特許庁商標課の審査官の立場を考慮すると、彼らが商標の審査にあたり、出願商標が、他人の著作物の複製又は翻案について調査認定をすることには困難な事情があるから、著作権の存在を商標法4条1項7号に該当する「公序良俗」事項に 含ませて判断させることは、なじまないことであると、同規定を適用することの不当性を説示している。
 しかし、特許庁においても、出願商標が他人の創作にかかる著作物であることを審査官が明確に認識することができる場合には、商標法の前記規定を適用することは十分可能であるというべきである。前記「ポパイ・腕カバー,ネクタイ」事件の場合は、商標権がからんでいたし、正に商標法4条1項7号が適用されて登録無効となっ た事案である。(2)
 もっとも、仮に登録無効とならなくても、商標権者による権利行使に対しては、商標法29条の適用をもって対抗することができるが、同条規定の適用を抗弁とすることができる者は著作権者又はその使用権者に限られ、第三者には適用がないことを考えると、特許庁の審査において、商標法4条1項の他の規定、10号,15号,19号の適用が及ばない場合には、7号を適用して拒絶することは問題ないと いうべきであろう。
3. もう一つの重要事項は、10号は「不正競争の目的」のある登録商標に対して除斥期間の適用を除外しているし、19号では「不正の目的」のある登録商標に対して除斥期間の適用を除外している点である。しかし、15号の規定の適用については、商標法附則(平8法 律68号)8条2項により、「なお従前の例による。」とされているから、商標法47条の適用が認められている。
 これに対し、7号の場合は登録後の事実発生であっても適用でき るから、19号は7号に規定する公序良俗違反の一類型ではないと高 裁は解した。しかし、7号は純然たる公益的規定であるとしても、10号,15号,19号は商品の出所を需要者が混同することを防止する という公益性を含んだ私益的規定であるといえる。

[牛木理一]


 (1) 拙著「キャラクター戦略と商品化権」154頁参照
 (2) 前掲297頁参照