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2015年5月1日



 
近 況 雑 感

1.弁理士では私の後輩ですが、年齢では大先輩となる菊田純一先生が、1988年(昭和63年)1月1日に出版された「句文集・星月夜」を、最近たまたま紐解いて見て、感銘を受けた俳句があります。菊田先生は、旧制松江高等学校に在学中に肺結核にかかり、休学期限が切れても癒らなかったことから退学処分となり、出身地の仙台の大学病院に入院され、その時に俳句を始めたといわれています。ここに紹介する次の8句は、いずれも退院後の昭和20年に作られたものです。

 ・吹雪く夜の まどゐ覆灯 低く吊る(消火演習

 ・寒灯や 国旗を酒座の 飾りとす(弟の壮行会

 ・暮おそき 畳に座して 言葉なし(硫黄島悲報

 ・雷撃の 枝すすむ日よ 麦青く(近くに特攻隊の基地あり

 ・青あらし 軍刀抜いて 握ってみる(父の秘蔵の日本刀

 ・家失せし 人々おそれ 盆の人(建物の強制疎開あり

 ・炎昼の 暗きしじまに 耐えゐたり(8月15日戦争終結

 ・あかあかと 旱の色の 灯火かな(灯火管制解除

 菊田先生は徴兵免除を狙って旧制高校の理科に入学されたが、肺結核という当時は不治の病といわれていた病気に罹られたのでした。これらの句はいずれも純情であった学生時代の反戦歌に通ずるものですが、当時、戦争に反対するような詩歌を作ろうものならば、非国民と呼ばれて非難されました。これらの俳句は、そのような類いのものではありませんが。

 

2.さて、今年の8月15日は、米英等を相手のあの戦争が終結して満70年に当たることから、新聞各紙は地方版も含めて、わが国の軍隊が海外で受けた被害やわが国本土への米軍による空襲によって受けた被害の実態について、写真入りで連載しています。そして、東京,大阪,名古屋等の大都市のみならず、地方都市への空襲によって蒙った生命,財産への損害に対する補償金請求訴訟も、各地で起きていることは、すでに本欄においてお知らせしました。

 また、5月3日の憲法記念日は、昭和22年(1947)のこの日に日本国憲法(The Constitution of Japan)が施行された日で、68年経ちますところ、4月30日(木)の朝日新聞(夕刊)の社会面には、大谷実同志社大学総長が、3月の同大学卒業式で述べられた祝辞が話題になっていると報じています。大谷先生は、「全体主義」に反対する意味がある「個人主義」の尊さを説き、わが国で現在強まっている改憲の動きに警鐘を鳴らすものだと、朝日は報じています。

 日本国憲法第13条には、「すべての国民は、個人として尊重される。生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定しています。個人主義は利己主義とは全く違いますし、個人の尊重とは基本的人権の基本であり、絶対的なものだということを大谷先生は卒業生に訴えたのです。

 現在、安倍政権は憲法改正の方針を打ち出していますが、彼らは戦争や空襲を経験したことのない世代です。その意味で、日本国民は現政権の動きにブレーキをかける声を上げるべきです。憲法記念日に当たって、多くの国民には、日本国憲法を読んでほしいと思います(小学館 525円)。こんなにすばらしい内容の憲法は、前文を含め、第1章以外は世界の国々の範となる最高法規です。改正論議は、よく読んだ後にすることです。

 

今月の「裁判例研究コーナー」では、次の7件について紹介します。

 

(1)登録商標「政界往来」商標権侵害損害賠償等請求事件:東京地裁平成27年

   1月29日(民46部)判決<請求棄却>➡F−53

(2)ファッションモデルの移籍と著作権侵害の損害賠償等請求事件:東京地裁

   平成27年2月6日(民40部)判決<一部認容>➡D−100 

(3)登録商標「湯とぴあ」商標権侵害行為差止等請求事件:東京地裁平成27年

   2月20日(民40部)判決<請求認容>➡F−54

(4)登録商標「IGZO」一部商品無効審決取消請求事件:知財高裁平成27年

   2月25日(1部)判決<請求棄却>➡G−197

(5)テレビ番組無断使用・著作権侵害差止等請求事件:東京地裁平成27年2月

   25日(民40部)判決<請求認容>➡D−101 

(6)「キャッチフレーズ」著作権侵害等差止等請求事件:東京地裁平成27年3

   月20日(民29部)判決<請求棄却>➡D−102

(7)「餅」特許権侵害損害賠償等請求事件:東京地裁平成27年4月10日(民40

   部)判決<請求認容>➡E−18

 

 

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