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2015年4月1日



 
近 況 雑 感

1.今月号も、朝日新聞2015年3月17日(火)の「声 Voice」欄に掲載されていた「語りつぐ戦争」を読んだことから始めたいと思います。

 「前線兵士の逃亡を阻止できず」(94才),「衣類を『銀蝿』されて真っ青に」(89才),「東京大空襲 死体に慣れる怖さ」(84才),「大阪大空襲 母の胸で逝った姉」(68才),「母のおにぎりが黄金に見えた」(90才)の5件が掲載されていましたが、米軍B29による東京大空襲は昭和20年3月10日に,大阪大空襲は同年3月13日に,そして横浜大空襲は同年5月末にあった事実が、これらの「声」の中には記録されています。また、6月に入ると、全国の地方都市への空襲は、鹿児島,徳島,沼津,青森と枚挙に尽くせない多くの地方都市になされています。

 また、昭和20年4月1日は米軍が沖縄に上陸を開始した日であり、この日から沖縄の悲劇が始まったのです。

 

2.さて、私自身は、国民学校の夏休みが始まった昭和20年(1945年)8月1日夜、新潟県長岡市で米軍機B29による大空襲攻撃を受け、住宅も祖父の工場も母が防空壕に運び込んだ家財道具も全部焼失しました。夜露に濡れた近くの学校のグランドの上で一夜を明かした翌朝、焼火した家の台所のあった場で母が作ってくれた焼け焦げたお握りと味噌汁の味を今でも覚えています。

 太平洋戦争が始まったのは、わが海軍隊が米国ハワイ島の真珠湾艦隊を攻撃した昭和16年12月8日ですが、住宅地や米国本土への攻撃はしたことはなかったのです。ところが、米軍機にあってはわが国全土の都市の大小を問わず空襲を始めたのは、驚くなかれ昭和17年4月からであったのであり、その対象は軍基地ではなく、国民の住宅地であったのであり、最後には広島,長崎への原爆投下と続くのです。これに対し日本政府は全く応戦することができなかったのです。

 しかし、その責任は戦争を始めたわが国政府にあったのですから、それによって米国軍機による空襲を受けることになったわが国民が被った生命,財産等の犠牲に対し、損害賠償をわが国政府の責任として請求するのは、自明な理であり権利です。したがって、その国民の権利に基づく請求権の行使を日本政府が無視することは、国民の犠牲を当然とする極めて無責任な態度というものです。

 戦後70年を経過することになる今年こそ、立法府は「空襲被害者援護法」を制定するように、与野党は一致団結してほしいと思います。この立法が実現しない限り、戦後はまだ終わらないというべきです。

 

3.3月号で書きました「全国空襲被害者連絡協議会」の大集会が、3月6日(金)夜、浅草公会堂で開催されましたが、その中の「被爆・被害者の声」として、名古屋市在住の杉山千佐子(99才)が、相変らず眼帯姿で、元気な声で発言されていました。また、記念講演において、高橋哲也東京大学大学院教授の「戦後70年の歴史認識を問う」は、正しい認識の上に立った未来学を説かれており、多くの聴衆の賛同を得たと思います。

 また、この大集会で私は、「東京大空襲訴訟原告団報告書―援護法制定めざして―」を1冊購入して読みましたが、わが国の司法はすべての裁判において被害者を救済するための立法の不存在を理由に、過去の戦争により被害を受けた国民の生命,財産の保護のための請求を全部棄却して来ました。しかし、条理という法の本質や三権分立の原則を死守しないわが国司法のレベルの低さには呆れます。だからこそ、関係者は前記「援護法」の制定促進を叫んでいるのです。 

 

わが国が、工業意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブアクトを承認し加入したことについては、3月1日号でお知らせしましたが、米国においても2015年5月13日から効力を生ずることになりました。これはPCTによく似ていることから、本質的にPCTと同等の制度であるといわれています。ただ存続期間は、米国法では登録日から14年間であるのに対し、ハーグ協定による国際登録されたデザイン権によれば登録日から15年間の保護となりますから、2015年5月13日を境に、出願日がその日又はその日以降に出願された意匠については1年間保護期間が長く与えられることになり、注意を要します。

 わが国民にあっても、ハーグ協定ジュネーブアクトの適用を受けることができるメリットは大きいですから、わが国企業の皆さんは、これからは自国指定ができる国際登録の申請に力を入れられてはどうですか。

 

5.今月の「裁判例研究コーナー」では、次の6件について紹介します。

 

(1)「コンテナバッグ」商品形態・不正競争行為差止等請求事件:東京地裁平成

   26年12月26日(民40部)判決<請求棄却>➡C1−67

(2)出願意匠「携帯電話機」拒絶審決取消請求事件:知財高裁平成27年1月28

   日(2部)判決<請求棄却>➡B1−57

(3)「製品写真」著作権・「登録商標」商標権等侵害差止等請求事件:東京地

   裁平成27年1月29日(民47部)判決<請求認容>➡D−98

(4)キャラクター「イラスト」著作権・著作者人格権侵害損害賠償請求事件:

   東京地裁平成27年1月29日(民47部)判決<請求認容>➡D−99

   (別紙)

(5)登録商標「醗酵玄米菜食ギャバ」無効審決取消請求事件:東京地裁平成27年

   2月12日(2部)判決<請求棄却>➡G−196

(6)「プレスリリース」による不正競争防止法違反事件:大阪地裁平成27年2

   月19日(26民部)判決<請求認容>➡C2−31

 

 

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