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2015年2月1日



 
近 況 雑 感

1.今年は、かつてわが国が米英等連合国との戦争において敗北し終結して70周年に当たる年です。当時、わが国民や政府の間では、使用語として「敗戦」か「終戦」かが論争されていたことを想い出すけれども、わが国が仕掛けた太平洋戦争において、その後日本列島は東京を始め全国各地が米軍により空爆され、沖縄は米軍に上陸されて占領され、天皇らは疎開されて首都には居なかったという状況を知れば、敗戦=終戦という計算式が自然に出来上がることになります。

 敗戦=終戦は、結果として平和という勝利をわが国にもたらしたことになりますから、日本国民にとってはハッピーエンドとなったのです。

 しかしながら、以前にも書きましたが、戦後処理のためにはまだ多くの未解決の問題が70年経っても山積みされている中で、日本各地に生活していた国民が米軍による空爆によって人命,財産を喪失した原因は、日本政府が米国らを相手に戦争したことによって、国民が犠牲を強いられたことにあり、それに対する損害補償請求訴訟が各地方裁判所に提起され、最高裁まで上告され判決が確定したり、係属中のものがあるのです。

 また同時に、外国人に対する戦時の問題、例えば、慰安婦問題、朝鮮人・中国人に対する強制連行問題、朝鮮人BC級戦犯問題などが未解決のままになっています。これらの問題が戦後70年経っても解決されないとすれば、そしてたとえ100年経ってもそのまま残るかも知れないとすれば、悲しいことです。

〔たまたま最近起こった2人の日本人に対するイスラム国(IS)と称するテロリストによる虐殺事件に対し、安倍首相は責任は自分にあると言明されました。そうであれば、彼らにはイスラム国への侵入に過失はあっても故意はなかったのだから、遺族は日本政府に対し、生命の犠牲に対する損害賠償請求をすることができるはずです。 2月5日記〕

 

2.戦前生まれの方は、流行歌手の渡辺はま子という人をご存知でしょう。この歌手は国際色のある歌を唄い、戦前は「夜来香イエライシャン」・「蘇州夜曲」・「支那の夜」、戦後は「桑港のチャイナタウン」、そして「ああモンテンルパの夜は更けて」(昭和27年)のヒット曲を世に出した人で、1999年12月31日に横浜で逝去された人気歌手です。二葉あき子さんや淡谷のり子さんも同時代の歌手です。

 この渡辺はま子さんを「奇跡の歌姫」として取り上げた演劇が、五大路子さん主宰の横浜夢座が公演するとの新聞記事を見て、私は1月31日に横浜ランドマークホールまで出かけました。私自身、はま子さんの歌は心に響くものがあるので好きだった。

 この歌のレコードは昭和27年に発売されたが、この歌の作詞者(代田銀太郎)も作曲者(伊藤正康)も、戦犯として刑務所生活を余儀なくされた人々であったが、この楽譜を見た渡辺はま子さんはレコードに吹き込み、しかも本人は昭和27年12月25日頃には、マニラ近郊のモンテンルパまで出かけて歌った人だったのです。そして、そのことが当時のキリノ・フィリピン大統領を動かし、昭和27年7月には108人の戦犯捕虜は特赦によって帰国することができたという、いわくのある歌手であり歌曲であったのです。渡辺はま子さんを「奇跡の歌姫」と呼んだのは、そのような事実が現にあったからです。

 戦犯としてはB級C級という下級兵であったのでしょうが、すでに死刑処理されていた人もいたから、特赦を受けた人は幸運であったといえるでしょう。いずれにせよ、戦争とは殺し合いですから絶対反対です。 

 

3.憲法学者の奥平康弘先生が1月26日に、急性心筋梗塞で死去された(85才)。奥平先生とは、その昔、著作権法学会における「表現の自由」についての特別講演会の後でお会いして話し合った記憶がありますが、気さくな方でした。2004年にできた「9条の会」には大江健三郎さんらとともに参加され、国民に呼びかけられた人であり、重要な存在をわれわれは失ったことになります。 

 

4.韓国のKIM & CHANG事務所が発行したブログLegal Updates, January 15, 2015によると、特許庁により商標登録された商標でも、その出願前に他人が創作した「きつねの顔」の図案の著作物と類似するものであれば、著作権侵害となる旨の判決を大法院が出して注目を集めているといわれています。(大法院2014年12月11日判決)適用規定は商標法53条と思われます。

 この判決事件のB社の図案とF社の商標は、次のとおりのものです。

        

 

今月の「裁判例研究コーナー」では、次の3件について紹介します。

 

(1)「タイプフォント」不法行為等損害賠償等請求控訴事件:大阪高裁平成26

   年9月26日(8民部)判決<棄却>➡D−84−1

(2)登録商標「SHIPS」商標権侵害差止等請求事件:東京地裁(甲事件)・

   (乙事件)平成26年11月4日(民40部)判決<請求認容>➡F−50

(3)登録商標「極真」他商標権侵害差止等請求事件:東京地裁平成26年12月

   4日(民47部)判決<請求棄却>➡F−51

 

 

6.このHPに掲載されている私の論文,論説には著作権が与えられていますので、無断複製を禁止します。引用される場合には、必ずその出所を明記して下さるようにお願いいたします。 All Rights Reserved.


 
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