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2014年3月1日



 
近 況 雑 感

 

1.「STAP細胞」の発見による新細胞の発明に成功した小保方晴子さんに、「iPS細胞」の発明者の山中伸弥教授が、刺激(ストレス)のノウハウを教えてもらいたいと、秋波(?)を送っているという報道があったが、彼女らの発見・発明はそれほどに価値の高いものなのだろう。山中教授は、彼女に何の教えを求めているのだろうか。

 ところで、すでに特許出願されている発明内容は「ストレスを与えることで、多機能細胞を作製する手法」であり、iPS細胞(人口多能製幹細胞)のように、外部から、遺伝子を導入したり、たんぱく質などを加えずに、皮層のような体細胞が多能製細胞に変化することを示したものだというのです。

 しかしながら、出願された発明の内容は全部、明細書及び図面等で確実に開示されているのでしょうか。そして、それを審査する特許庁の審査官は、その全部を確実に理解し判断することができるのでしょうか。

 審査官が発明内容を全部確実に理解するということは、彼又は彼女の知能レベルが発明者のレベルに達していることを意味します。けだし、そのレベルに達してなければ、是非の判断は到底できないからです。

 私は、小保方さんの発見・発明の経過から教えられたことは、いかなる場合にあっても、われわれは現象の中に見える存在を試行錯誤しながら発見することが大事であり、これが発明に通ずる糸口となることです。これは、論文を書くときに議論に行き詰まった時には、切り口を変えて考え直してみることに通ずる論理であるように思います。

 

2.最近、巷の話題にもなっている事件に、佐村河内守というペテン師による著作権問題があります。ゴーストライターで作曲家の新垣隆氏は自分の作曲についての著作権は放棄すると宣言しているようですが、ゴーストライターなる者は自分がゴーストである間は、最初から著作権者であることを放棄しているといえるから、今更何を言っているのかということになります。

 私はたまたま、朝日新聞の日本コロンビア社の一面広告の写真と記事に注目していたことから、2013年4月27日(土)の第7面の広告を保存していましたが、その写真の人物が長髪でサングラスをかけた聾の「現代のベートーヴェン」と称された前記人物だったのです。

 その中にあって音楽著作権の管理者であるJASRACとしては、当該音楽の使用に関して多くのユーザーから使用料を撤収して来た立場として、前記詐欺師に返金を要求し、これを前記ゴーストライターに還元することになるのか、まだわかりません。

 なお、前記前面広告には、大友直人や五木寛之というパブリシティ・バリューの高い有名人からのメッセージも紹介されています。

 

 

今月の「裁判例研究コーナー」では、次の7件について紹介します。

 なお、昨年6月号で紹介しました「G−170」について、原告Xではなく、原告のライバルのTさんから、私宛に、影響があるから削除してほしい旨の申し入れがあったので、Tさんの関係商標について調査したところ、背景事実が判明しました。その事実とは「木目金の高田」として有名なTさんは、自他商品の識別力を有する5件の登録商標を有している伝統のある老舗であることです。したがって、この判決事件の紹介は削除ではなく、論説部分を若干補足することにしました。

 

(1)「実写映画化権」著作権確認等請求事件:東京地裁平成25年10月10日

   (民46部)判決<請求棄却>➡D−90

(2)「餅」特許無効審決取消請求事件:知財高裁平成25年11月12日(2部)判

   決<請求棄却>➡I.2−5

(3)「著作物頒布広告掲載契約」に基づく著作物頒布広告掲載料未払請求事

   件:東京地裁平成25年6月5日(民29部)判決<請求棄却> D−91

(4)「著作物頒布広告掲載契約」に基づく著作物頒布広告掲載料未払請求事

   件:知財高裁平成25年12月17日(2部)判決<控訴棄却> 

   D−91−1

(5)登録商標「PEARL パール」不使用取消審決取消請求事件:知財高

   裁平成25年12月25日(3部)判決<請求認容>➡G−182

(6)著作権侵害・損害賠償請求控訴事件:知財高裁平成26年1月22日(2部)

   判決<控訴棄却>➡D−83−1

(7)著作物頒布広告掲載契約に基づく著作物頒布広告掲載撤去損害賠償請求

   事件:東京地裁平成26年2月27日(民47部)判決<請求認容>➡D−92

 

 

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