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2013年6月1日



 
近 況 雑 感

 

1.京都大学名誉教授の北川善太郎先生が今年1月25日に逝去されましたが、80才でした。

 私が北川先生を特に知ったのは、先生が日本工業所有権法学会の理事長であった時というよりは、ある日、ドイツからMPIのディーツ博士が京都のドイツ文化センターで行った特別講演を私は聴講した後で、北川先生から肩を叩かれ、先生が理事長をされていた(財)比較法研究センターに入会しないかと言葉をかけられた時でした。その時には、同センター理事の斉藤博教授も出席されており、同先生からも比較法研究センターのことを聞いて知っていましたから、それを機会に入会して会員となり、今日に至っています。

 ところで、民法学者の北川先生には、「技術革新と知的財産法制」(有斐閣 1992)という題名の著書があります。1992年というと、「知的財産権Intellectual Property」という言葉がはやり出していた頃で、北川先生は一早く前記のような著書を、それまでに発表された論稿を集められて刊行されたのです。特に、その中の第1章総論的考察では、(1)技術と法,(2)知的財産法制の基礎,(3)知的財産法の方法,(4)知的財産法制の再編,(5)知的財産法モデルの5節に分けられていますが、いずれも「特許ニュース(1991年)8175号・8176号・8177号」において、「知的財産権をめぐる国際的動向と日本の役割(上)(中)(下)」という題で発表されていたのは驚きです。

 この北川善太郎先生との「お別れの会」が、6月23日に京都で行われるとの案内を私はいただいているので出席しますが、多くの学究や実務家が全国から、そして外国からも集まって来ると予想されますから、これらの方々と交流できることを私は嬉しく思います。これも北川先生のおかげであると感謝しています。

 

2.現在、安倍首相をはじめ自民党では、日本国憲法の改正のための議論をしているところ、まず第96条にある憲法の改正手続の規定の改正から入って、いずれ前文や第9条を改悪しようと意図しているようです。

 私は大学法学部の一年次で、佐藤功先生の憲法講義を受けて感銘したことを今でも忘れていません。二年次には夜間部で佐藤達夫先生の憲法講義も聴講しましたが、両佐藤先生は戦後、法制局におられて、新憲法の起草に尽力された方々です。佐藤達夫先生はその後、法制局長官になられた方であり、随筆家でもありました。この佐藤達夫先生の上司は金森徳次郎国務大臣です。ちなみに、現在の法制局長官は、経産省出身で、新不正競争防止法に関する著書もある山本庸幸さんです。山本さんは、若い頃、特許庁総務課にもおられた方です。

 佐藤功先生は当時、教授としては成蹊大学におられたほか、他大学にも出講されていた方ですが、成蹊大学出身の安倍首相は佐藤先生の講義を受けていなかったのでしょうか。この佐藤功先生は大学の小講堂で毎週1回、口角泡を飛ばす演説調の講義をされたので、われわれ学生は常に緊張して聴いたものです。

 憲法といえば、菅直人元首相は、弁理士試験の3つの選択科目のうち、専門の理工系科目のほかの1科目は憲法で受験されたそうで、この時に勉強した知識は、政治家になって非常に役に立っていると話していました。

 いずれにせよ、私は日本国憲法の改正にはすべて反対の立場をとる者です。しかも、前文にまで手をつけようとしている考え方は、言語道断です。前文とは、それまでの大日本帝国憲法(明治憲法)を全面的に廃止し、戦後の昭和21年11月3日に制定した新憲法である日本国憲法の精神と本質を謳った声明だからです。

 

 

今月の裁判例研究コーナーでは、次の7件について紹介します。

 

(1)登録商標「Augusta Club+図形」無効審決取消請求事件

   知財高裁平成25年3月21日(2部)判決<請求棄却> ➡G−167

(2)登録商標「ROSEO’NIELLKEWPIE ローズオニールキュ

   ーピー」無効審決取消請求事件:知財高裁平成25年3月21日(4部)判決

   <一部認容/請求取消>➡G−168

(3)特許出願「周波数選択チャンネル等化・複合装置」拒絶査定審決取消請

   求事件:知財高裁平成25年3月25日(3部)判決<認容>➡I.1−7

(4)健康食品の製造・販売等の虚偽告知・流布に対する損害賠償等請求事

   件:東京地裁平成25年3月28日(民46部)判決<請求認容>➡C2−25

(5)登録商標「インテルグロー」無効審決取消請求事件:知財高裁平成25年

   4月18日(2部)判決<請求棄却>➡G−169

(6)出願商標「MOKUMEGANEKOUBOU」拒絶審決取消請求事件:知財

   高裁平成25年4月24日(1部)判決<請求棄却>➡G−170

(7)登録商標「NINA L’ELIXIR」無効審決取消請求事件:知財

   高裁平成25年4月24日(3部)判決<請求棄却>➡G−171

 

 

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