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2013年4月1日



 
近 況 雑 感

 

1.3月11日の朝刊各紙の一面は、2011年3月11日の東日本大地震から満2年が過ぎたことについての記事を大きく掲載していましたが、忘れてならない事件である1945年(昭和20年)3月10日の東京大空襲から満63年に当たることについての比較的小さい記事も、他面に出ていたのです。

 この東京大空襲で犠牲になったのは、日本の軍人ではなく、10万人の東京市民の生命であり財産のすべてであったのであり、大量のナパーム油脂焼夷弾による空襲によってわが国の木造建築物はすべて焼き尽くされ、焼け野原だけが広く見渡せる光景になったのです。わが国土を焦土と化したのは、正にハワイのパールハーバーを奇襲攻撃された米空軍の報復作戦であり、日本の全土にわたる日本人の大量虐殺計画の一部であったのです。

 広島と長崎への原爆投下があっても直には降伏しなかった日本国政府は、天皇によるご聖断によってようやくポツダム宣言を受諾することになり、国民は救われることになったといえるのです。

 大阪,名古屋,東京の各地裁判所で始まった日本政府に対する被災者団体による訴訟事件は下級審での請求棄却の判決を受けて、現在、高裁から最高裁に向っていますが、高裁判決では暗に国会における審議と立法を促しているのです。この件については本欄でも書いたことがありますが、この立法化運動は超党派で進められていますから、1日も早く立法化され、空爆によって犠牲となった全国各地の市民の生命と財産に対する補償金の支払いを、日本政府が義務として履行するようにすべき責任があると思います。

 なお、1945年4月1日は、米軍が沖縄へ上陸侵攻した日でした。

 

2.筆者は、AIPPI日本部会が毎月開催する判例研究会に毎回出席していますが、この研究会には会員である弁理士や弁護士のみならず、裁判官や審判官や大学教授らも多勢出席されておられ、その中でいろいろな発言や議論が行われますから、知的財産法分野では極めてレベルの高い実務的研究会であり、勉強になります。

 その中で、3月28日に行われた第119回の判例研究会では、筆者も今回取り上げて研究している「即席乾燥麺の製造法」の無効審決取消請求事件の知財高裁判決について、この事件の原告(特許無効審判被請求人・特許権者)代理人となった弁護士が批判する報告をされたのです。報告者の目の前には、判決言渡しされた部長判事をはじめ多くの裁判官が聴講しているのですから、驚きの光景です。その中で交わされた質問や議論に対して、判決をされた裁判官らからも積極的に発言して議論に加わりたい思いをぐっとこらえられ、「弁明せず」の態度を貫いておられたのが、近くの席にいてよくわかるのです。

 そのような緊張した雰囲気の中でも、代理人の立場を離れて客観的に理非を明らかにしようと努力して論じられた報告者は立派です。その意味で、この研究会は一つの裁判例を通して実務と法理論との解明を行う比類ないハイレベルの研究会だといえるのです。

 

今月の裁判例研究コーナーでは、次の5件について紹介します。

 

(1)登録意匠「道路灯」デザイン創作請負契約関係事件:大阪地裁平成25年

   1月24日(21民部)判決<請求棄却>➡A−55

(2)出願商標「あずきバー」拒絶審決取消請求事件:知財高裁平成25年1月

   24日(4部)判決<認容/審決取消>➡G−163

(3)「即席乾燥麺の製造法」特許無効審決取消請求事件:知財高裁平成25年

   1月30日(1部)判決<請求棄却>➡I.2−3

(4)「ごみ貯蔵機器」特許権・意匠権侵害差止等請求事件:知財高裁平成25

   年2月1日(特別部)判決<原判決一部変更・認容>➡E−12

(5)「花柳流」名称抹消等請求控訴事件:知財高裁平成25年2月28日(2部)

   判決<控訴棄却>➡C2−22−1

 

 

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