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2012年5月1日


 
近 況 雑 感

 

1.今年の日本著作権法学会の総会及び研究発表とシンポジウムが4月21日に東京・神田で行われた。この中でシンポジウムのテーマは「著作権法の将来像と政策形成」という一見矛盾するような大問題であり、最近成立した著作権法の改正を機縁にいろいろな角度から6人の講師がスピーチをした。その中で筆者が特に注目したのは、法学者の立場ではなく政治学者の立場から立法の経緯を論じられた若い先生がいたことである。立法府を動かすためには、与党に属する国会議員に対しプレッシャーグループの利益団体が陳情しよく説得することの重要性を説かれていた。また、東京地裁の判事もパネリストの1人となっていたが、前記テーマからは外れていた。

 

2.前号の本欄で紹介した映画「この空の花―長岡花火物語」を、4月19日に仕事で行った燕三条駅の近くで見て来ました。この映画は、長岡市が、特に大林宣彦監督に依頼して製作は始まったといわれていますが、長谷川孝治と大林宣彦による共同脚本の作成が終わり、撮影の段取りがほぼ出来上がった頃の2011年3月11日に、東北三陸沖の大地震(東日本大地震)が勃発したことから、脚本を急遽書き直されたようです。

 長岡映画製作委員会が発行しているリーフレットの中で、大林さんは書いています。「殊にあの2011年3月11日を体験した今は、僕らの未来を、より平和で幸福な国に創造するために、この課題について皆で切実に考える時、その時“長岡花火”に象徴される長岡市のあり様は、一つの大いなるヒントとなり得るのではないか。」そして、「長岡市を一つの現代のワンダーランドと捉え、この映画は始まる。どうか皆さんも一人の旅人となって、思いがけないウサギたちと出逢い、語り合いながら、この映画の中をさ迷ってみて下さい。」

 この映画の上映時間は正味3時間弱であったから、そのための時間をつくるのは大変でした。

 感想はと問われれば、映画の中には実写も挿入され、平潟神社や柿川の今の光景や七里アイさんのような実在人物が登場してインタビューに答えているから、虚実が入り交じったやや複雑な内容の映画になっています。しかも、熊本県天草市牛深からの地方紙による取材とはいえ、主人公の女性記者が長岡市までやって来たところからストーリーが始まるというフィクションの中で、大空襲によって焼死された当時の鶴田長岡市長は、実は天草の出身であったと映画は女性記者に語っていました。当時私は10才でしたが、大学3年の8月9日朝には長崎市の原爆ドームを訪れ、その日の午後、長崎郊外の茂木から船で本渡まで行き、天草島を縦断し、牛深から串木野(鹿児島県)へ渡ったことを思い出しました。鹿児島市に1泊した翌日は、桜島へ行った後、夜行で西鹿児島を発ち、広島で下車し、原爆ドームや資料館を見てまわりました。今でも資料館で見た時の被爆者たちの悲惨な姿は昨日のようにまぶたに写っています。

 なお、この映画は、東京では5月12日(有楽町スバル座)から上映されることがわかりました。

 

4月28日のYAHOOニュースによると、著作権侵害差止等請求事件(仮処分申請)として東京地裁に係属中であった紙の本を私的に電子書籍化する「自炊」(実際は「他炊」)の請負業者が、4月27日の弁論の準備手続で2社中、1社が請求を認諾することを表明したので、事実上訴訟は終結したと発表していた。この事件の原告(債権者)は7人で、浅田次郎,大沢在昌,永井豪,林真理子,東野圭吾,弘兼憲史,武論尊の各氏です。今回、自炊の中止を決めた被告(債務者)は「愛宕」で、もう1人の被告の「スキャン×BANK」はすでに2月に中止したという。

 これは判決による中止ではなく、自主的に決めた中止であったので、結果的には原告らの勝利といえます。すると、これは先例となるから、今後、自炊業者は危険な行為として営業しないだろうと思われますが・・・

 

今月の裁判例コーナーでは、次の3件を紹介します。

(1)登録商標「オゾン&アクア ドライ」不正使用取消審決取消請求事

  件:知財高裁平成24年3月8日(3部)判決<認容・審決取消>

  G−141

(2)「車種別専用ハーネス」商品形態・不競法事件(本訴)/損害賠償等

  反訴請求事件(反訴)平成24年3月21日(民40部)判決<本訴認容/反

  訴棄却>➡C1−55

(3)「餅」特許権侵害差止等請求控訴事件:知財高裁平成24年3月22日

  (3部)判決<控訴認容>➡E−9

 

 

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