USHIKI INT'L PATENT OFFICE


 

 
 
2011年9月1日


 
近 況 雑 感


1.わが事務所のある東京秋葉原駅前あたりにも赤トンボが飛ぶ季節になりました。この辺は神田川が近く、樹木も立ち並んでいるので、都会のトンボでも生活し易い環境にあるのかも知れません。

 今夏はセミの鳴き声をあまり聴かなかったといわれていましたが、霞が関の財務省脇の三年坂を通ると、セミしぐれに出会うこともありました。

 友人の菅直人君がようやくわが国の内閣総理大臣を辞めましたが、彼が昨年6月に就任した時、果たしていつまで持つのか、正直なところ心配でした。それは、彼には、過去に一人の市民運動家としての経験はあっても、国の政治家として貫く強い信念や哲学というものは特に持たない中で、首相だから何んでもできるという恣意や思いつきの言動が目立ちました。

 辞職後は、同じ行脚でも、四国ゆきは止めて、東北三県の震災と原発の被災地を巡って、復興のアイディアを出して政府に提言してほしいと思います。

 

2.さて、本日は、1923年(大正12年)の同日正午直前に、相模湾を震源地とする関東大震災が起った日であり、その時のマグニチュードは7.9〜8.2と記述されています(大辞林・三省堂)。それに比すると、今年3月11日の東北東日本大震災のMC9.0は未曾有の震度であり、全地球的にはごく一部分の破壊活動であったとしても、人類等の生物にとっては、その存在が問われたような天災となりました。

 しかし、同時に発生した福島の東京電力の原発破壊は、想定され得た人災であり、その法的責任を問われて当然の事故でありましたから、それによって生命,財産に被害を受けた人々や業者(農林水産等)が、東電や国に対し、その生命,財産等に対する不法行為に対し損害賠償等の責任を問う訴訟を提起するのは当然の事理であります。

 

3.さて、私は、昨年9月1日号の本欄において東京大空襲訴訟のことを書き、今年8月1日号においては、この被害者補償請求訴訟は今年11月28日に結審することを書き、また同時に現在、わが国本土が米軍の空爆によって、国民の生命,財産が被害を受けたことに対するわが国政府の法的責任を明らかにした「空襲被害者等援護法」の制定を目指した国会議員連盟が発足していることを書きましたが、その近況報告会が、去る8月14日、全国空襲被害者連絡協議会の総会が行われた両国の江戸東京博物館でありました。

 その会には超党派とはいえ、自民党と公明党の国会議員は参加していないのが不思議でしたが、社民党の福島瑞穂代表も顔を出しており、この議員連盟の会長は民主党の首藤信彦氏で、議員立法として民主党政権下での法案成立を目指しているのです。一方、自民党には戦没軍人らの遺族会会長らもいるのですから、日米戦争の犠牲者である米軍の本土空襲による国民に対する生命・財産等の補償責任を、日本政府がとることも立法によって実現しようとしています。現在、衆議院法制局と法案のすり合わせをしているとのことで、法案が両院を通過して成立するためには、自民党への説得も必要と思いますが、民主党らは来春までには成立させようと考えています。

 その前には、現在係属中の東京高裁と大阪地裁の当該訴訟の判決言渡しを見ることになりますが、いずれも立法化の促進をうながすような内容のものとなるのではないでしょうか。

 昨年9月1日号の本欄にも紹介した名古屋市の杉山千佐子さん(95才)が、今年は両目に眼帯をし左手掌に包帯をして車椅子の姿を見せていたが、今では目は見えず耳も聴こえない身体になったとはいえ、口調だけはしっかりとしていて、長年国会に一般国民に対する米軍の無差別空爆による被害者等援護法の成立を何回も請願して来たが、実現できなかった経緯を説明されました。

 なお、ドイツは西ドイツ時代の1950年12月20日に、第二次大戦時の民間人の被害に対し、元軍人と差別することなく援護する「連邦戦争犠牲者援護法(BUC)を制定し、その後、何回かの改正がなされて、現在に至っているということです。それにしても、わが国の場合はおそきに失しています。

 

4.今月の裁判例コーナーでは、次の4件を紹介します
(1)「角質除去具」商品形態不競行為差止等請求事件:東京地裁平成22
   年9月17日判決認容>/知財高裁平成23年3月24日判決控訴棄
   C1−50
(2)立体商標「カール・ハンセン椅子」審決取消請求事件:知財高裁
   平成23年6月29判決認容/審決取消G−123
(3)登録商標「江戸深川七福神」無効審決取消請求事件:知財高裁平成
   23年6月16日判決認容/審決取消G−124
(4)出願商標「図形アイテック阪急阪神株式会社拒絶審決取消請求
   事件:知財高裁平成23年6月28判決認容/審決取消
   G−125

 このうち、(2)は美術の著作物や意匠との関係が絡んでいる事案であり、(3)と(4)はいずれも結合商標を構成する標章要部の認定いかんよって商標の類否判断が分かれた面白い事案です。


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