USHIKI INT'L PATENT OFFICE


 

 
 
2011年5月1日


 
近 況 雑 感


1.大地震による大津波の跡地を、大空襲による油脂焼夷弾火災の焦土と写真等で見比べて、思わず息を飲んだ。その結果は同じであったからです。地獄絵図とは、こういう光景をいうのかと思いました。ただ違うのは、前者は天災、後者は人災です。しかし、天災だからわれわれ日本人は泣き寝入りしなければならないのかと言えば、地震によって勃発した原発事故が引き起した目に見えない放射線能の空中散布は人災です。天災による法的責任は不可抗力として追及されなくても、人災による法的責任は過失として民法上の不法行為による損害賠償の対象となるから、東電に対するこの責任はこれから長くかつ深く追及されていくことになるでしょう。

 もう一方の人災について、私は昨年9月1日号の「近況雑感」に、私自身の新潟県長岡市における戦災体験とともに、1945年3月10日の東京大空襲の被害者によるわが国政府への補償金請求訴訟事件について書きましたが、当時の日本全国の大中小都市への米軍による無差別空爆による犠牲と被害は、1941年12月8日に太平洋戦争を引き起したわが国政府の責任であり、正に人災であったのです。しかし、もしも1945年7月26日付の「ポツダム宣言」をわが国政府が一日も早く受諾していれば、長岡市への米軍空襲はもちろんのこと、広島と長崎への原爆投下は避けられたはずです。

 起ってしまった人災に対して日本政府は迅速かつ確実に対応し、被害を受けた国民の身体と財産に対して、きちんと金銭の支払いで法的責任をとらなければならないのが良識というものです。

 

2.この原稿を書いている5月2日の朝、ラジオが2001年9月11日のNewYorkの世界貿易センタービル2棟やWashingtonの国防総省ビルに激突したハイジャックによる同時多発テロ事件の首謀者ウサマ・ビンラディンが、米軍特殊部隊の攻撃によってパキスタンのアボッタバードで殺害されたと報じていました。これは、あの事件から10年後の成果となりましたが、その2日後、おかしなニュースがやはりラジオから米国防省の発表として伝えられていました。それは、ビンラディンの隠れ家を長年探索していて突き止めたことは、わが国の連合艦隊司令長官の山本五十六の搭乗機を暗号無線の解読で突き止め、ブーゲンビル島上空で待ち伏せこれを撃墜したことと同じ作戦であったというのです。その日は昭和18年(1943)4月18日です。

 米国防総省の思いは、昭和16年(1991)12月8日の日本海軍によるハワイ真珠湾に本拠地を移した米国海軍隊への奇襲攻撃を指揮したのが山本五十六であったことにあるという。山本としては、日米戦力の隔差を十分承知していたから、対米戦争は短期間でケリをつけなければ日本は敗北すると見ていたから、真珠湾への第二波攻撃を山本は考えていたところ、上部に反対されたという。上部はガダルカナルなどの南太平洋諸島の米国基地の攻撃など、長期戦を考えていたのです。山本は太平洋上の現場で指揮をとり、上部は内地の地図の上で指揮をとっていたのです。

 山本元帥の出身地の長岡市にある山本五十六記念館には、現在、山本が戦局視察のためにラバウルを飛び立ったのち撃墜された一式陸攻の主翼の一部が展示されていますし、近所にある山本記念公園には、昭和20年8月1日の長岡空襲で焼失した粗末な生家が復原されて見学できるようになっています。

 

3.今月の裁判例コーナーでは、次の5件を紹介します。
(1)「縫いぐるみ」商品形態損害賠償請求事件:東京地裁平成22年11月
   4日判決棄却>➡C1−46
(2)いす著作権侵害行為差止請求事件/商品形態不正競争行為差止
   請求事件東京地裁平成22年11月18日判決一部認容
   D−70C1−47
(3)肖像写真掲載ビラ等損害賠償等請求事件東京地裁平成23年2月9日
   判決<認容>➡D−71
(4)登録商標「N−S.P.C.ウォール工法」審決取消請求事件
   財高裁平成23年3月17日判決<棄却>➡G−119
(5)登録商標「JIL」不使用取消審決取消請求事件知財高裁平成23
   317日判決<認容/審決取消>➡G−120

 

 なお、このうち(2)「いす」事件は、著作権と不競法の両者がからんでいるので、両方に及んで紹介し解説しています。

 

 

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