USHIKI INT'L PATENT OFFICE


 


 
2010年7月1日


 
近 況 雑 感


1.菅直人さんが、わが国の第94代内閣総理大臣になってしまいました。この事実を一体誰が予想したことがあったでしょうか。彼は、登録番号第7558号の弁理士を職業としている者であり、大学卒業後、ある特許事務所に勤務しながら弁理士試験に挑戦し、4回目で合格したと自ら語っています。(ちなみに、私の登録番号は第6381号です。)

 同時に、彼は発明家でもあり、先日のTVではマージャン用計算機の発明で特許権を取得した旨の特許証が、現物と共に紹介されていましたが、売り込みに行ったが採用されなかったようです。発明家であり、弁理士であり、そして市民運動家として政治の世界にも長年関係していますから、彼ほどのマルチな日本人は他にいないと思います。

 特許の世界は、文と理のシナジー効果を発揮できる分野ですから、弁理士にとっては、特に明細書の記載と「特許請求の範囲(クレーム)」の作成は、この文と理のシナジー効果を発揮する場となり、弁理士にとってたまらなく面白い世界なのです。私がかつて、職務発明訴訟事件をめぐって発表した論文で、「弁理士のクレーム力を評価せよ」と論じたのは、この関係のことを意味します。(第1−162022を参照)

 一方、政治の世界は、様々な思想や階層や職業や利害が渦を巻いている分野ですから、政治家に課せられた使命は、弁理士が果たさなければならない使命とは一見違うように見えても、国民の代理人として常に国民全体の利益のためと依頼者の代理人として常に依頼者の利益のためという点では、共通の立場にあります。

 

2.ところで、菅首相を取りかこむ面々には多くの弁護士がいます。官房長官の仙谷由人さん、財務大臣の野田佳彦さん、法務大臣の千葉景子さん、そして民主党幹事長の枝野幸男さんです。

 この枝野さんは、かつて行政刷新大臣時代に、省庁再編成のテーマの一つに特許庁と文化庁の統合を取り上げ、「知的財産庁」の立ち上げを考えていることを提言されていることは、本欄今年4月1日号においてお知らせしました。これが実現するまでには、まだ長い年月がかかるでしょうが、実現可能性は十分にあります。

 この問題については、われわれ弁理士会のみならず、弁護士会との間においても論議してみたいと思います。

 

3.今月の裁判例コーナーでは、次の5件を紹介します。
(1)便座シート事件:大阪地裁平成20年7月17日判決<棄却>
   
C1−42
(2)「東証」名称・使用差止等請求事件:東京地裁平成21年8月31判決
   
<認容>→C2−17

(3)専属実演家契約とパブリシティ権:東京地裁平成22年4月28日判決
   
東京地裁平成22年4月28日判決<棄却>→H−12

(4)登録商標「久遠水」不使用取消審決・取消請求事件:知財高裁平成
   
22年6月2日判決<棄却>→G−103
(5)審判請求期間:知財高裁平成22年6月9日判決<認容/審決取消>
   
I.1−1

 

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