USHIKI INT'L PATENT OFFICE


 


 
2010年3月1日


 
近 況 雑 感


1.私は、本欄の1月1日号において、WIPO発行の“WIPO Magazine”のことに触れた折、1990年代にジュネーブのWIPO本部で毎年開かれた「デザインの国際登録に関するヘーグ協定」の改正のための専門家委員会や1999年に開かれた同協定締結のための外交会議のことについて若干述べました。

 その後、この協定に関する動きはなかったところ、最近届いた“WIPO Magazine” December 2009-No.6 p.5によりますと、“Signatories freeze the London Act of the Hague Agreement(ヘーグ協定のロンドン・アクトの加盟署名を凍結)”が目に止まりましたので、ここで紹介しておくことにします。

 このロンドン・アクトとは1934年に締結された協定ですが、その加盟国は次のとおりです。

 ベナン(1986),コートジボワール(1993),エジプト(1952),フランス(1939),ドイツ(1939),バチカン市国(1960),インドネシア(1950),リヒテンシュタイン(1951),モナコ(1956),モロッコ(1941),セネガル(1984),スペイン(1956),スリナム(1975),スイス(1939),チュニジア(1942)     計15か国(アンダーライン国はGeneva Actにも加盟)

 このヘーグ協定(1925年締結)は、現在、London Act 1934,Hague Act 1960, Geneva Act 1999の3協定がそれぞれ有効に存在しているところ、ロンドン・アクトの加盟国代表は、2009年9月24日にこの協定の効力を一時停止することによって、デザインの国際登録システムの合理化を図ることを決定したのです。

 これによって、国際登録システムの複雑さを軽減し、Geneva Act 1999に焦点を集中することにし、かかる方向づけは、審査国による登録制度と現存のヘーグ協定システムとの共存を高めることになろうといわれています。

 すると、London Act 1934はやがて終結することになると思われます。 

 

 

2.われわれ弁理士の多くは、諸外国との間では固有の実務を通して具体的個別的な情報を入手することはできますが、求めなくても一方的に入ってくる情報も多いのです。ところが、実務とは無関係に見える周辺的な情報に対しては、無視ないし興味を示さない人々が多いです。その一つは、例えば本年2月号の本欄で紹介し発表した“WIPO Magazine”のことです。私は、隔月に送られて来るこの雑誌をいつも首を長くして待っているほど、世界各地からの知的財産権にかかる記事が満載しています。

 そこで、その中の一つのアフリカにおける新しい稲米“Nerica”に関する記事を紹介することにします。(“WIPO Magazine”-April 2009,No.2 pp.15〜16から)→第1−28

 

 

3.今月の裁判例コーナーでは、次の2件を紹介します。
(1)登録商標「テディベア」無効審決取消請求事件:知財高裁平成21
   
12月21日判決<請求棄却>→G−92

(2)「貼り薬」意匠登録無効審決取消請求事件:知財高裁平成22年1月
   
27日判決<棄却>→B2−13

 

4.このホームページに掲載されている私の論文,論説には、著作権が与えられていますので、無断複製を禁止します。引用される場合には、必ずこの出所を明記して下さるようにお願いいたします。 All Rights Reserved.



 
牛 木 内 外 特 許 事 務 所
  弁 理 士  牛   木   理   一
(併設)有限会社 IPビジネスコンサルティング
東京都千代田区神田平河町1番地第三東ビル7F
(JR秋葉原駅東口前)
TEL:03−3866−3503
 e-mail:upat@blue.ocn.ne.jp