USHIKI INT'L PATENT OFFICE


 


 
2010年10月1日


 
近 況 雑 感


1.私は、毎月、このHPで最近の裁判例を何件か紹介している。本業では特許明細書等を書いた後の時間を見つけては、判決文の特に【判断】の部分を繰り返し読みながら考える習慣を何年も続けている。しかし、特許事件の判決文は読んで考えるには時間がかかり過ぎるので、つい敬遠している。

 そうしている時に気が付くことは、特に商標の審決取消請求事件における知財高裁の判決文の書き方が、各部によって異なることである。

 その一つは、ある部は最初に結論を表明した後に理由を、事実を論理的に究明することによって記述しているのに対し、ある部は判例としての最高裁判決をまず、TVの水戸黄門の印籠のようにかざし、その後でこの判例が説示している要件事実に本案における事実を適用するようにして記述していることである。

 もう一つは、新任の陪席裁判官が教科書を生かじりで読んで書いたような初歩的な理由を記述していることである。今回紹介している裁判例の中にも、それらが見えている。

 しかし、こういうことも、特殊な分野である知財裁判所の裁判官になった人々は、裁判長や研究会などによって教わりながら勉強していかれるのだろうが、特許法,実用新案法,意匠法,商標法,不競法,著作権法等に関するこの分野の先輩方の著書や論文などをよく読まれ、各法に関する基礎的知識を確実に身につけてほしいのである。判例を調べるのはその後でよい。われわれ実務者は、裁判所には、たとえ敗訴しても納得できる判決理由を期待しているのである。

 

2.今月の裁判例コーナーでは、次の6件を紹介します。
(1)「YOUNG ヤング」商標権移転登録手続その他事業譲渡・求償金等請求
   事件:東京地裁平成22年7月2日判決<認容>→J−5

(2)出願意匠「呼吸マスク」拒絶審決取消請求事件:知財高裁平成22年7
   月7日判決<請求棄却>→B1−45

(3)登録商標「CARTELOロゴ+ワニ図形」審決取消請求事件:知財
   高裁平成22年8月31日判決<認容/審決取消>→G−106

(4)登録商標「Asrock」無効審決取消請求事件:知財高裁平成22年
   
8月19日判決<認容/審決取消>→G−107

(5)出願商標「AERIE」拒絶審決取消請求事件:知財高裁平成22年8月19日
   
判決認容/審決取消>→G−108

(6)出願商標「京や」(ロゴ)拒絶審決取消請求事件:知財高裁平成22年
   
8月19日判決<棄却>→G−109

 

 

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