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2009年9月1日


 
近 況 雑 感

1.久し振りに衆議院が解散し、8月30日に総選挙が施行され、自民党が予想どおり大敗し、民主党が予想どおり大勝して終った。この民主党の勝利は、個人的には、同業者でもある菅直人がいるから嬉しい。彼は、鳩山内閣の官房長官という話が出ているが、私としては、かつて彼が第1次橋本内閣の厚生大臣時代(平成8年)に明らかにしたHIVをめぐる血液薬剤問題の究明に立ち向ったリーダーシップを、こんどは社会保険庁問題に徹底的なメスを入れてもらうために、再び厚生労働省に戻ってほしい。

 民主党のこんどの勝利は、またマニフェストの一つとして各省庁から要求される予算の見直しや国家公務員をめぐる税金の無駄使い問題の徹底的改善を力説していたことがある。ということは、今日の公務員は、憲法15条2項に規定する「すべての公務員は、全体の奉任者であって、一部の奉任者ではない。」という公僕の立場をすっかり忘れているどころか、自分の将来の利益に走ることしか考えていない傾向がある。その意味で、公務員をして、憲法の公僕精神を思い起こさせる決め手となった、今回の総選挙の結果は大きい。

 かつて東工大出身のエンジニアである菅直人が、私に語ったことがある。「弁理士試験の選択科目の一つに、憲法を学んだことが、政治家になって生きていることがよくわかってよかった。」と。そういう政治家としての君に、われわれは今後の活躍を期待している。

 なお、憲法15条とは、第3章「国民の権利及び義務」の中の規定であるから、公務員は、あくまでも国民の利益のために働かなければならない存在であることを忘れてはならないのである。

 

2.知的財産戦略推進事務局が今年6月に発表した「知的財産推進計画2009」の概要の「4.知的財産権の安定性・予見性を確保する」と題した中に、「E意匠の権利範囲を明確化する」があり、これについて2009年度中に結論を得る、とのメッセージを出している。

 しかしながら、どだい意匠権の権利範囲を明確化するということは、ケース・バイ・ケースであるから、困難である。けだし、この困難さの由来は、意匠(インダストリアルデザイン)の本質そのものにある。即ち、感性(右脳)から入って理性(左脳)へ行き、最後に悟性によって判断するという筋道をたどるのが意匠であり、これによって類似範囲が決まるのだから、何を基準とすれば意匠権の範囲を明確化できるのか、その尺度を発見することから始めなければならない。

 この辺のことは、すでに拙稿「意匠の特殊性と意匠の類否判断の困難性」(パテント1999年5月号)で論述しているから、参照されたい。(拙著「デザイン キャラクター パブリシティの保護」(悠々社2005年)にも収集している。)

 

3.今月の裁判例の紹介は、次の3件です。
(1)契約解除後の商標権侵害差止等請求事件:東京地裁平成21年3月31日
   
判決<一部認容>→F−21

(2)出願商標「ラブコスメティック」拒絶審決取消請求事件:知財高裁
   
平成21年7月16判決<棄却>→G−84
(3)「東京インプラントセンター」商標権侵害差止等請求事件:東京地
   
平成21年7月17日判決<棄却>→F−22

 

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