USHIKI INT'L PATENT OFFICE


 


 
2009年1月1日


 
近 況 雑 感
〔新しい年への思い〕

鐘ついて 無心で祈る 平和かな

光る富士 雪降る海の 町思う

 

 新年おめでとうございます。

 旧年中はいろいろとお世話になりました。

 本年もよろしくお願い申し上げます。

1.さて、今年はわれわれ特許業界にとって、どのような年になるのでしょうか。

 米国発の金融恐慌の嵐がわが国産業界をもろに襲っている今、企業の出願件数の減少化は避けられない状況にあります。同時に、知的財産権の紛争は増加する傾向にあります。すると、訴訟事件もそれに比例することになりましょうから、裁判所は地裁も高裁もその責務の重大さをよく認識され、法的正義を基本理念において、十分説得力のある判断を示すことに心掛けていただきたいと思います。

 地裁判決をコピーしたような控訴審判決では、司法に対する国民の期待と信頼を裏切ることになります。(そのような裁判を最近体験しましたので、近いうちに紹介します。)

 ところで、今日のわが国社会のおかれている状況には、真意もよくわからずにわれわれが聞かされてきたグローバル化現象の犠牲の姿が現れています。この現象も金融恐慌も、いずれも米国発のパワーによるものであり、われわれはそれに振りまわされ流されているのです。だからこそ、今やそのような現象の是非を考えた上で、わが国を地球の中心において、世界経済のあるべき姿を再考する必要があると思います。そして、グローバル化とローカル化との対立を止揚した新しい調和のある社会の樹立を、われわれは目標にすべきでしょうし、それは可能であることは歴史が証明しています。

 

2.私は、2007年3月に、改正意匠法24条2項の立法を批判した論文を発表(第1.1−9)しましたが、読者の皆様には読んでいただけましたでしょうか。われわれ国民は、いかなる立法に対しても、それが果して公共の利益にかなっているものなのかどうかを基本において、事の理非、即ち批判(Kritik)する精神を忘れてはならないと思います。

 今年、私が取り上げている論文の主題は、昨年から続けている長年温めてきた「商品化権」問題の国際的解決です。この問題の原点は、私が49年前に弁理士となって以来、人生のモットーとして来た実務と研究の両立のスタートを切った英国著作権法の歴史を見直すことにあります。

 また、連載ものとしては、過去2年間続けてきました法学書院の「弁理士受験新報」における意匠法講義をもう1年間継続することであり、今年は「審査基準から見た意匠法」の講義をします。もちろん裁判例を各問題毎にあげて解説するのですが、最近の試験問題はそのような実務中心にやや偏向しています。

 

3.今月の裁判例コーナーは、次の3件です。
(1)「チョコレート」立体商標・審決取消請求事件:知財高裁平19(行
   
ケ)10293.平成20年6月30日判決<認容>G−73
(2)「縫いぐるみ」不競法2条1項3号・著作権法2条2項事件:東京
   
地裁平19(ワ)19275.平成20年7月4日判決<棄却>C1−40
(3)「TOKYU」不競法2条1項2号事件:東京地裁平19(ワ)35028
   
.平成20年9月30日判決<棄却>C2−12

 

4.私事で恐縮ですが、私は1990年の55才の時に黄綬褒章を授与していますところ、音楽家の遠藤実氏も同年に58才で紫綬褒章を授与され、翌年1月に行われた東京新潟県人会の新年会では同席で隣り合っていたことを想い出しましたので、その時の写真をここに披露し、ご冥福を祈りたいと思います。遠藤実氏は、1995年から2001年までの長期間、JASRACの会長を務められたのです。(前列右端が私です。)

 

 

5.このホームページに掲載されている私の論文,論説には、著作権が与えられていますので、無断複製を禁止します。引用される場合には、必ずこの出所を明記して下さるようにお願いいたします。 All Rights Reserved.


 
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