USHIKI INT'L PATENT OFFICE


 


 
2008年2月1日


 
近 況 雑 感

1.意匠法を知的財産法の中でマイナーな法分野と考えている大学教授がいることを最近知ったが、そのように意匠法を考える人は、結局、意匠法の存在意義や知的財産法の中で占める位置づけを理解していないことを証明しているといえます。
 
私がこの法分野に特に関心を持ったのは、大正10年法から昭和34年法が誕生し、翌年4月1日から新法が施行されるというちょうど変革の時代であり、学生ながら弁理士試験に挑戦している時に、この法分野の論文や参考書が殆んどなかったことの飢えを体験したからです。そして、誰れもまだ深く開拓していない分野であるならば、多少大それた論文を発表しても許るされるだろうという気持から研究が始まったのです。以来、意匠法ほど考えることを飽きさせない面白い法分野はないことを知っています。
 
意匠法は難しく奥深い分野であることに気づいた実務家はその真実がわかっただけでも一歩前進であり、片や特許法・実用新案法、片や著作権法を隣接法とする知的財産法の中核に存在する法であり、感性と理性と悟性という頭脳の全機能をフルに働かさないと、妥当な意匠の類否判断はできないということです。同時に、発明という知的創作を特許明細書にまとめる弁理士としての本業をしない人には、意匠の存在意義は理解できないと思います。
 
まして実務を知らない人が学生に意匠法を教えようとしても、それは死んだ学問を教えることになるのであり、他の知的財産法についても同様のことが言えるのです。

 
なお、「近況雑感」の1月1月号を再度お読み下さい(→2008年1月1日号「近況雑感」)


2.今月の裁判例コーナーでは、次の2つの事件を扱います。
 このうち、
(1)は「かえでの木事件」(H−7)の意匠版ともいうべきものですが、最後の「付記」には知財高裁から特許庁審判部への痛烈なウォーニング・メッセージが語られています。
(1)包装用容器事件(付言判決):知財高裁平成19年12月26日判
   
(認容→審決取消)→B1−30
2)黒沢映画のDVD化事件:東京地裁平成20年1月28日判(認容)
  
D−58


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