USHIKI INT'L PATENT OFFICE


 


 
2008年12月1日


 
近 況 雑 感

1.1964年(昭和39年)10月10日に開催された東京オリンピック大会までに間に合うようにと建設された東海道新幹線の線路を走る0系列車の形態的特徴は、その先頭車両の「団子っ鼻」にありました。この「団子っ鼻」の形状は、意匠法の保護対象になるとともに特許法又は実用新案法による保護対象にもなるとは、学生等に講義をする際の実例の一つとして使った極めて好材料の物品でありました。
 
新幹線車両のこの鼻部分は、その後、技術的な改良が重ねられ、多種類のデザインから成る車両が誕生し使用されてきたことから、山陽新幹線で運行する「こだま」だけとなっていたところ、遂に11月30日を以って引退することになりました。
 
特に鼻部分のデザインの改良は、高速走行と空気抵抗との関係をいろいろ計算し尽してなされてきたことから、車両の美観なるものや視覚を通じて起す美感なるものは二の次となっていたと思います。しかし、結果的には、従来の電車には見られない流線形で美観のすばらしいデザインとなって生まれかつ改良されてきています。
 
そのデザインの典型例は、航空機からロケットに及ぶ空を飛ぶ物品であり、機能性と審美性が有機的に結合して発揮されているのです。
 
これが、空気抵抗との関係は殆んど考慮されず、内部構造との関係の考慮が要求される乗用車の車体デザインの場合とは違います。そして、乗用車の場合にあっては、まずデザインありきであり、多くの機構はそのデザインに従わざるを得ないのです。
 
なお、「団子っ鼻」車両を意匠と特実という創作レベルで考えましたが、この部分からは例外的に立体商標の問題も登場することになります。しかし、平面商標についての仕事しかしていない者にとっては、前記意匠と特実との関係はよく理解できないかも知れません。
 


2.今月の裁判例は、一つの商標権侵害損害賠償本訴等請求事件と、一つの意匠権侵害差止等請求事件を紹介します。
(1)「ほっかほっか亭」損害賠償本訴請求・商標使用権確認反訴請求
   
事件:東京地裁平成20年4月25日判決<一部認容>→F−16
(2)「衣料用ハンガー」意匠権侵害差止等請求事件:東京地裁平成20
   
10月30日判決<棄却>→A−39

 私がこのHPで紹介した意匠に関する裁判例のいくつかは、現在、執筆連載中の「弁理士受験新報」(法学書院)の「意匠法講義」において採用し解説しています。


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