USHIKI INT'L PATENT OFFICE


 


 
2007年11月1日


 
近 況 雑 感

1.司法試験の合格者を年間3,000人に増加するという政府の基本計画に対し、中部弁護士連合会が10月19日に開いた定期大会において「弁護士制度の変質を招く」として反対決議を可決したという記事を読んだ(朝日新聞10月20日)。この動きは、全国の地方弁護士会でも盛んだという。
 これに対し、このような増員反対の動きは、わが日本弁理士会にないのは不思議ある。増員することによって、自由職業である弁理士ひとりびとりに十分な仕事が与えられ、国民の信頼にこたえられるような仕事を新人の弁理士たちがこなすことが可能なのだろうかという疑問が、われわれ後輩たちに対してある。

 
今年の弁理士試験の口述受験者数は659人というが、そのうち理工学が85.7%、法文系が12.9%であり、その平均年令は35.3才%という超高令であるのが現実の姿である。
 
また、合格者の中には、修士や博士の肩書を有する者が301人いるというが、彼らが一人前の特許明細書の作成者になるには、さらに5年以上はかかることになる。まず明細書が書けない弁理士では失格である。
 弁理士制度の改革が特許弁護士制度の創設に向けて、司法試験制度の改革とともに行わなければならない時期に来ているのではないだろうかと、私は思っている。


2.今月の裁判例コーナーでは、次の2つの事件を取り上げる。

1)CUBS事件:知財高裁平成1988日判(認容)→
G−58

2)「工芸用パンチ」事件:知財高裁平成19910日判 (棄却)
    →
B1−29


3.当方で取扱った商標権侵害原告事件は、最近、東京地裁で請求棄却の判決を受けたが、最近の裁判所は早く結論を出すことが至上命令であるかのように、時間に追いかけられながら、換言すると、走りながら準備書面や証拠を見ているような態度が、判決文に如実に表われている判決をしている。じっくりと事件の背景から読んで考えていないから、極めて浅薄な説得力のない理由になっているし、特許庁の判断を無視して安易に特許法104条の3を適用している。
 これに対しては控訴審で争うことになるが、知財高裁がじっくり腰を据えて考えてくれることに期待している。


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