2006年11月1日


 
近 況 雑 感

1.

 わが国では、新しい法律案を作成して国会に提出するのは概して行政府であり、立法府である国会の議員達ではない。国会議員達は、国会に行政府が提出する法律案を待って初めてその内容の検討や議論を始めるから、予備知識などは殆ど持ち合わせてないし、委員会の場においては専門外の難しい問題を考えることになることが多い。
 すると、新しい法規定の審議において、立法者である自分達の考えを反映するためには、衆参両議院の委員会(経済産業委員会)における質疑の中でしかなく、疑問のありそうな条文の意味や解釈はその中で答えられることになる。しかし、委員会で議論されない問題やあいまいな応答しか引き出せなかった問題については、立法者の意思や考え方は明確に示されないままになってしまうから、法律施行後に様々な意見や解釈が出て混乱が起こることがある。
 そこで登場するのが、裁判所による司法判断ということになる。
 その意味では、改正意匠法の,就中,24条2項の規定は、将来司法判断を受けることになるかも知れない。その好例が、
D−5152で紹介したDVD著作権侵害事件の東京地裁の決定であり判決であり、これらは、良い教訓になっているといえるのである。

2.

今月の裁判例コーナーでは、次の2つの事件を紹介する。

1「赤毛のアン」商標登録無効事件:知財高判平成18年9月20       日(棄却)→G−47

これは、カナダ国の一州が審判請求人となり、商標法4条1項7号
 (公序良俗違反)の適用を主張した結果、登録無効となった事案である。

2)「キシリトールガム」比較広告事件:知財高判平成1810
       月18日(原判決変更)→
C2−11

    これは、C2−8で紹介した東京地裁判決を逆転した事案であり、
         証拠の信憑性が問題になった。
                                       

3.

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