2006年10月1日


 
近 況 雑 感

1.

 特許庁長官の任期は通常1年間であるところ、中嶋長官は去る7月の経産省内の異動には含まれず留任されていることから、来年4月1日施行の改正意匠法の運用を短期間ではあるが、間の当たりに見ることができることになります。その中でも、批判の的となっている意匠法第24条第2項の適用がもっとも気になるところでしょう。この規定の位置は、正に第四章意匠権の第一節意匠権の章節の中にあり、第一章総則でも、第二章意匠登録及び意匠登録出願の章でもないという運命にあるのです。
 その特許庁の中にあって、審査の現場にいる意匠課の立場は、一層苦しい運用を迫られることになりましょう。24条2項の規定は出願意匠の審査には影響を与えないから、従来と変わりはないと審査官は聞かされていても、出願人代理人との板ばさみになり、ストレスを増す場合もあるかも知れません。
 この私は、常に意匠課の味方であるのに誤解されているようで困りますが、皆さんはわが国の意匠行政の先端を歩いているのですから、意匠法第1条の法の目的である「創作を奨励し」もって「産業の発達に寄与する」という精神を忘れないでほしいのです。と同時に、国民の公僕であるという立場を忘れないで下さい。

2.

 私は、9月5日、わが国のデザイン8団体協議会のデザイン保護委員会において、「改正意匠法の話」をした。その際に使用したレジュメを第1「論文コーナー」の28に紹介しておきます。
 その話の中で、今後のわが国意匠行政の課題として、1999年7月に締結され2003年12月に発効しているデザインの国際登録のためのヘーグ協定ジュネーブ・アクトについて話をしました。この協定は、WIPOへの無審査登録を原則とするが、わが国のような審査国を指定している場合には、一定期間内に審査結果を出すことが義務づけられています。出願人にとっては1出願100デザインまでの多量登録が可能ですから、多数デザインを同時創作する業種分野にとっては利用価値のある制度です。
 ヘーグ協定の締結に至るまでには、ジュネーブの専門家委員会にわが国代表は毎年出席し、活発な議論に加わっていた時の情熱はどこに飛んでしまったのでしょうか。APAA代表として何回か出席している私にとっても、早く日の目を見たい協定です。  

                                        

3.

今月は、次の2つの裁判例について紹介します。
1)商標「三浦葉山牛」事件:
  知財高二部判平成
18612日→
G−47
2)意匠「包装用袋」事件:
  知財高二部判平成
18628日→
B1−23

                  

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