2006年7月1日


 
近 況 雑 感

1.

私は、日本アニメーション学会(事務局・東京造形大学)の第8回総会・大会が沖縄那覇市の県立芸術大学で6月24日・25日に行われたのに出席し、多くの研究者による分科会での研究報告を興味をもって聴取し質問もした。
 また、7月1日・2日には日本でマンガ学会(事務局・京都精華大学)の第6回総会・大会が新潟市の芸術文化会館で行われ、ここでも分科会で多くの研究者が研究報告を報告することになっている。
 私は、学会に設置されている著作権部会の主査や部会長として学会員の大学教授や評論家の人達と著作権にからむ諸問題を議論しているが、今日の進歩の激しいネットワーク時代に生き抜こうとしているマンガやアニメのキャラクターたちの苦悩の姿には驚かされている。そして、かれらは現行の著作権法がおかれているデジタル情報の嵐の中で必死に生きる道を見い出そうと頑張っている。
 「知財」という言葉は特許や発明の代名詞ではなく、「著作物」を含む人間が創作する作品の包括的概念であることを忘れてはならない。参考までに、現在の知的財産権の法体系を第1−2に掲示しますので、ご参照下さい。

 

2.

 本欄の5月1日号では、神戸大学工学部教授による論文データの捏造によるNEDOからの助成金詐取行為のニュースについて触れたが、こんどは早稲田大学理工学部教授による国の研究費の不正受給行為のニュースがマスコミを賑わしている。文科省で大学等の学術研究助成金の審査をしている課の課長に元著作権課長だった岡本氏が就任していたし、現著作権課長の甲野氏は前の助成課長だった。わが国はかつて「科学技術立国」を旗印として大学や産業界に号令をかけていたが、上記のような大学での尽きない不祥事はその旗印につばをかけるようなもので、怒りを覚える。
 本日付の産経新聞の「主張」によれば、この問題は、研究者個人のモラル以上に、わが国の研究文化を支えてきた屋台骨の腐食が進んでいるのではないかと指摘している。(7月3日追記)

 

3.

今月の裁判例コーナーでは、次の4つの事件判決を取り上げる。

1)テレビハンガー実用新案権侵害事件(大阪地判平成17年12月1日)
   →
E−5
2)がんばれ!日本!商標不使用取消事件(知財高判平成18 11日)
   →
G−46
3)包装用容器(化粧品用)意匠事件(知財高判平成18年3月27日)
   →
B1-22
4)ダービースター商標権侵害事件(東京地判平成18年3月29日)
   →
F-12

 

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