2006年1月1日


 
近 況 雑 感

新年おめでとうございます。
 旧年中は公私共に多忙で、時間の経つのが目に見えて早く感じられました。今年は時の流れに身をまかせず、時々は立ち止まって“人生”という名のファジーなテーマについて熟考したいと思っています。

 

1.

 さて、今年は意匠法の改正問題が再び俎上にのることになり、「意匠制度の在り方」について現在、特許庁はパブリックコメントを募集しています。
 私は、経済産業調査会の月刊誌「知財ぷりずむ」に、昨年12月号から、前記問題についての意見を発表しています。平成10年法の改正時には抜本的改正が見送られたことから、今回の改正は注目されています。それは、「無審査登録制度の導入」による「有審査登録制度」との2つのスキームを、わが国意匠法で確立することであり、私が1987年に発表しました「意匠保護の未来学」(パテント40巻2号)で具体的に提言しています。この論文は、その後、弁理士会発行の「インテレクチュアル・プロパティ」(発明協会1995)にも収載されています。
 韓国政府は、私の前記論文中の筋書きどおり、意匠保護のために2つのスキームを導入し、意匠権(A)と意匠権(B)とに分けて登録しています。また2005年7月1日からは、法律名を“デザイン保護法”と改称し、「タイプフェイス(印刷用文字書体)」についても物品とみなして、有審査による登録制度を導入しています。どのような審査をしているのか審査官に会ってみたいものです。

 

2.  ところで、2004年1月1日の「近況雑感」をめくってみましたら、中村修二対日亜化学工業の職務発明の対価をめぐる訴訟事件のことに触れていることがわかりました。私はNBL No.823 2005年12月15日号に「職務発明の対価について−弁理士の“クレーム力”を評価せよ」の論稿を発表しましたので、このHPの「第1論文コーナー」に掲載することにします。
 ただし、NBLに掲載した文章の字数は10,000字以内という制約があったため、私の言いたいことが十分に伝えられていないうらみがありますので、その約2倍の字数となっていたオリジナル原稿をHPに掲載することにしました。中味の濃さが全く違います。
 皆様のご批判、ご意見を伺いたいと思います。
 わが国の法律専門誌において、私がこのような論稿を発表して外部にアピールしていても、わが国の日本弁理士会や多くの会員は、馬の耳に念仏にしか聞こえてないようです。この問題は他人事ではなく自分事であるのに。

 

3.

今月は裁判例コーナーは休刊とします。次月号以降では、また面白い裁判例を採り上げて論評してみたいと思いますので、ご期待下さい。
 今年もご愛顧のほどをよろしくお願いします。

4.  ところで、「裁判例コーナー」のG−39において、「国際自由学園」という名称の商標登録に対して起こされ、商標法4条1項8号違反を理由に請求された無効審判請求事件は、知財高裁では無効理由に当たらないとの判決がありました。それに対して最高裁は平成17年7月22日に、原判決を破棄するとの判決をし、知財高裁に差し戻されていましたところ、知財高裁は2005年12月27日に、元の知財高裁の判決を破棄し、本件商標を無効とする旨の判決をしましたので、お知らせしておきます。(→G−3539参照)

 

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