近 況 雑 感

 

2005年5月1日

 

1.  特許権、実用新案権、意匠権、商標権および不正競争防止法に係る産業財産権の保護のみならず、広く著作権の分野に及ぶ法域を知的財産権(無体財産権)というが、この知的財産権をめぐる事件を専門に取扱う特別な高等裁判所が衣更えして今年4月1日に発足し、東京に第1部から第4部まで設置されました。かといって新たに理工系大学出身の裁判官が各部に配置されているわけではなく、依然として法律系大学の裁判官で占められています。 しかし、これでは司法改革には必ずしもならないばかりでなく、知的財産権を扱う特別部に対する期待は今までと全く変わりないことになります。したがって、今まで以上に、特許庁から出向の調査官に課される期待は増していると思います。
 米国においては、理工系大学を卒業した者が法科大学院に入学して学習した後、Patent Attorney 試験を受ける資格が与えられる制度があり、この試験に合格すれば特許庁の審査官にも採用されるし、特許弁護士への道も開かれています。
 しかし、わが国にこのような制度が実現するのは、あと10年経っても無理のような気がします。
 これを実現するためには、司法試験制度を抜本的に改正しなければなりませんから、法務省や最高裁の頭の切り換えが必要です。

 

2.  今月の裁判例の紹介は次の2件です。 
  (1)「ライター事件」(意匠権)
     大阪地裁平成16年12月21日→A-24
  (2)「撃GEKI事件」(不競法/著作権)
     東京地裁平成16年12月15日→D-41

 

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