2005年2月1日
2005年2月5日


 
近 況 雑 感




 

1.

 中村修二対日亜化学工業株式会社の特許第2628404号に係る特許権をめぐり発明者が取得すべき相当な対価額について、東京地裁が判決した金額は余りにも高すぎるとして、敗訴した被告会社が控訴していた東京高裁において、両者に和解が勧められた結果、「6億857万円」と算定され、これに遅延損害金2億3534万円が加算された金額(合計8億4391万円)を、被告が原告に支払うことで決着した(1月11日和解)。
  この金額が妥当か否かは、立場が異なるといろいろ異論もあろうが、個人的にはこんなものなのかな、という思いである。
  ただ、中村氏は自分の大発明の経済的評価はこんなものではなく、東京地裁が判決した全利益額の2分の1(約600億円)を妥当とすると記者会見で主張していたが、同氏がそう主張するのであれば、利益を上げたのは実は彼が生んだ「発明」からではなく、弁理士が書いた「クレーム」からであることをまだ認識していないようである。 →第1-16参照
  そこで、これについては、私の感想を『論文コーナー』に発表するが、ここには和解勧告した「東京高裁の考え(要旨)」を添付する。これを読むと、裁判所の総合的な考え方がよく理解できるだろう。
  →第1-22  

2.

 最近の韓国政府からのニュースは、次のようなデザインの保護に関するきわめて注目すべき法改正を知らせている(2004年12月31日公布、2005年7月1日施行)。
 (1) 法律の名称を「意匠法」から「デザイン保護法」とする。
 (2) 「デザイン」の定義を改正し、「タイプフェイス(印刷用書体)」を「物品」と擬制して、定義規定に含めている。
 (3) 但し、書体についてのデザイン権の効力は、
  a) 通常の過程で書体を使用する場合、
  b) その書体を使用して製作された結果物、
  には及ばないとしている。
  ただ、施行規則や審査基準の発表はこれからだから、審査対象とするのか否か不明である。すでに施行しているドレスデザインなどの保護のように、無審査登録制を採るかも知れない。
  いずれにせよ、韓国におけるデザイン保護政策の積極性を、わが国特許庁も見習ってほしいものである。そのためには、ヘーグ協定への加盟を今年の検討テーマとしてはいかがか。                         

3.

今回は、次の1つの不競法事件と1つの著作権法等事件を取り上げます。
  (1) 「キシリトールガムの比較広告事件」 →C2-8
  (2) 「フィギュアの模型原型事件」 →D-40

4.

経済産業省の産業構造審議会知的財産政策部会の不正競争防止小委員会は、きわめて短期間のうちに取りまとめた「報告書」案(特許ニュース平成17.1.12参照)について、パブリックコメントを募集していたので、私は最終日の1月17日に意見書を提出した。この応募に対する集計が1月21日に発表されていたことを最近知ったので、提出した私見を『論文コーナー』に発表する。
  →第1-23 <2月5日追加>

5.

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