2004年10月 1日
2004年10月 4日


 
近 況 雑 感




 

1.

 経済産業省知的財産政策室の委託で、知的財産研究所は「不正競争防止法を活用した模倣品対策等に関する調査研究委員会」を7月26日に立ち上げ、今日までにすでに3回の会議が開かれています。すると、不競法2条1項3号の規定が中心課題になっているようですが、意匠法の補完的地位にあるべき消極的保護法の不競法が、どこまで意匠法の領域を侵食しようとしているのか注目されます。正に不競法は、意匠法に対し再挑戦しようとしているのです。(拙著「商品形態の保護と不正競争防止法」13頁以下参照)

2.

 ところが、これにおくれること約2か月後の9月15日に、ようやく特許庁の産業構造審議会知的財産政策部会は、意匠制度小委員会を立ち上げて開会しました。
 新不競法の改正審議当時には、すでに意匠法の改正問題も爼上に載っていたし、英国のCDPA1988は施行され、EUのデザイン法案も明らかになっていたし、国内では私がいろいろなメディアを通じて発言していたのに、特許庁意匠課はそういう外部の声を聞こうとしない態度をとりつづけていたから、平成5年不競法の成立に先を越されてしまったのが真相です。そして、今日、その存在意義すら疑われている意匠法は、不競法の改正問題の中に飲み込まれようとしているのです。
 こういう時期にあって、特許庁にとって最も必要なことは、国民のためのデザイン保護の法哲学をしっかりと確立することです。

3.

 今回は、次の1つの不競法侵害事件と2つの商標審決取消事件の裁判例を紹介します。
 (1) カルティエ腕時計形態事件(東京地平16. 7. 28日判)
    →C1-24
 (2) ポロ競技図形事件(東京高平16. 9. 6日判)
    →G-32
 (3) ひよこちゃん事件(東京高平16. 9. 16日判)
    →G-33

4.

 10月1日(金)に出された最高裁のHPを見ていますと、本件商標「ポロ競技図形+U.S.POLO ASSOCIATION」(現第34類・商標登録第4017664号)をめぐる無効審決の取消訴訟事件の判決言渡しが平成16年9月29日に、前記G-32の事件判決とは別の東京高裁(知財第4部)でなされていたことがわかりました。この判決は、前記事件とは反対の結果となりましたので、ここに急遽、追加紹介することにします(10月4日記)。
 (4) ポロ競技図形事件(東京高平16. 9. 29日判)
    →G-34
 2つの審決取消訴訟の判決に対する読者の皆さんのご感想はいかがですか。

5.

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