2004年 9月 1日
 


 
近 況 雑 感



1.大型の16号台風が日本列島を縦断して通過しつつある今日この頃、各地の被害の大きさに、あらためて大自然の前に人智の無力さを痛感します。皆様におかれてはお変わりございませんか。

2.8月21日(土)の朝日新聞2面には珍しく、特許庁における意匠審査の迅速化についての記事が掲載されていましたので、私は早速これに対する批判文を「視点」に投稿しました。しかし、案の定、編集者はこの特殊な問題について特に関心を示さなかったようなので、このHPの第1「論文コーナー」の「19.意匠法に無審査登録制度の導入を」として発表することにします。
  それにしても、平成10年法を施行して5年以上が経過していますが、毎年4万件に達しない要審査出願では、全般的にもっと早く審査が終了してもよいと思います。またもし、出願期限を制約した類似意匠登録制度(現行では関連意匠登録制度)が復活するならば、出願件数は30%は増加すると思います。
  併せて、無審査登録を選択できる制度を導入すれば、もっとユーザーフレンドリーになり、出願件数は増えるでしょう。これは、わが国も批准しているWTOのTRIPs協定の第25条の規定を真に遵守することになり、韓国では一部物品にこの制度を一早く導入しています。(流行性の強い物品について。)

3.今月の「裁判例コーナー」は、意匠法3条2項が適用された意匠出願の拒絶査定→不成立審決に対する審決取消訴訟の判決の1件を取り上げます。
 
◎東京高裁平15(行ケ)582,平成16年5月26日判決→B1-19
  
この事件の経過を見ると、審査官も審判官もそして裁判官さえ、同法の規定を本当に理解し事実に適用しているのかと疑いたくなるような事案です。もっとも本件は、原告(出願人)自身も同法の規定をよく理解していないようです。
  特に、意匠の審査官には、「意匠の類似」とは何を意味し、「類似とは違う創作力がない」とは何を意味するのかについて、その基本的な違いを考えたことがあるのかと聞いてみたい気持ちになります。これを考えることは、意匠審査の第一歩なのです。

4.先月もお知らせしました拙著「商品形態の保護と不正競争防止法」(経済産業調査会刊)は、総論と各論(裁判例)とに分けるとともに、意匠法や商標法との関係を論じたり、主な外国法についても事例を紹介して解説していますので、ぜひともご購読くださるようお願いします。→ 内容等については、”Profile”をごらん下さい。

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