2004年 7月 1日
 


 
近 況 雑 感



 

1.ミュンヘンの特許事務所からの案内によると、ドイツはEUデザイン指令(98/71/EC)を国内法において忠実に履行するために、デザイン法を改正し、今年6月1日から次の重要事項について施行することになりました。
(1) 存続期間を、出願日から20年を、その後の登録日から25年とする。
(2) スペアーパーツ(交換純正部品)は、保護することができる。
(3) 保護の最低条件は、従来、新規性(novelty)と独創性(originality)の両者であったが、
  前者だけとなった。しかし、独自性(individual character)は要求される。独自性とは、
  公知意匠と全体的印象が異なることをいうと解される。
(4) 新規性喪失の保護期間(grace period)は、6か月から12か月となる。
(5) 一出願で可能なデザイン数は、50個から100個となる。
(6) 保護期間の起算は、従来、出願日であったが、登録日からとなる。
(7) 登録デザインの公表は、出願日から30月延期することができる。
  なお、EUデザイン指令と英国登録デザイン法の改正については、
第3 ニュースコーナー2
を参照してください。

2.「ハリー・ポッター」の新作映画の上映(6月28日)に合わせて、東京駅のキオスクでは、映画の一シーンを表現した瓶容器(クッキー)を売っていたので買いましたが、そこにはキャラクターについて商品化権や商標権を、作者から取得しているWarner Bros.の商魂が見えます。しかし、心配なのは、クッキーのような食品を契約対象としている場合、もし中毒などの事故が起こったとき、その責任と信用への影響の大きさを考えると、そのような商品へのキャラクター戦略は慎重にしなければならないことになります。
 かって、ウォルト・ディズニー・プロダクションの副社長スペンサー・C・オーリン氏が、タバコ,酒,薬,刃物のようなものにはキャラクターライセンスはしないし、食品についての審査は厳しいことを書いていたことを思い出しました。

3.今月は、次の2種類の文章を掲載します。
第1論文コーナーに、18.「ウルトラマンの著作権の帰属と海外独占利用権」と題した一文を、
第2裁判例研究コーナーには、次の2件を紹介します。
(1)コネクタハウジング事件 (東京高判平成16年3月31日)
  → B2-6(意匠審取)
(2)ビタシー事件 (東京高判平成16年3月9日)
  → G-31(商標審取)

4.先月もお知らせしました拙著「商品形態の保護と不正競争防止法」(経済産業調査会刊)は、総論と各論(事例)とに分けているとともに、主な外国法についても事例を紹介して、わかり易く解説しています。ぜひともご購読くださるようお願いします。→内容等については、”Profile”をごらん下さい。

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