2004年 1月 1日
 


 
近 況 雑 感



 

新年おめでとうございます。
昨年中はいろいろとお世話になりました。今年もご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。

1.さて、昨年は11月に入って1冊の著書「意匠権侵害―理論と実際」(経済産業調査会)と、1冊の監修書「最新・デザインの紛争と判例」(日経デザイン・日経BP社)を刊行しました。前者は、裁判所筋の受けもよいとの噂が入っています。この本を読みますと、意匠の類似とは何か、なぜ意匠の類否判断は難しいか、意匠と商標の類否判断の違い、各種事案に対する侵害裁判所の考え方をよく理解することができると思います。
 特に総論である第1篇「意匠権侵害の理論」を読んでいただければ、意匠権侵害問題の本質がわかります。そして、本質が理解できれば、第2篇の各論で展開されている個別の意匠権侵害の裁判例についても理解することができると思います。この本の内容につきましては、“Profile”をごらん下さい。

2.昨年12月22日付の「特許ニュース」をごらんなられた方も多いと思いますが、論説「職務発明における相当の対価―弁理士の「クレーム力」を重視せよ―」を発表しました。これは、近年、いろいろと裁判沙汰になっている特許法35条3項をめぐる、退職後の会社との在職中に自分が行った職務発明に対する「相当な対価」の請求訴訟に対し、出願代理を職業とする弁理士の視点からの発言です。
私は、この問題に対して発明者の一人勝ちは許されないこと、確立した特許権の「クレーム」を作成した弁理士は、発明者に対しても出願人(特許権者)に対しても、自分の立場についての正当な評価を要求すべき資格があることを主張したのです。その内容につきましては、「第1論文コーナー」の「16.」に掲載しました。
 なお、中村修二対日亜化学工業(株)の対価請求訴訟事件の東京地裁判決は、今月30日午後3時に言い渡されるとのことです。特許第 2628404号の発明者に対して与えられる「相当な対価」額について、司法裁判所がどのような根拠によって妥当な数字を計算して出すのかが注目されるところです。

3.今月の裁判例コーナーの紹介は、次の2件です。
(1) 外壁材(不当利得返還請求)事件・・・・東京地裁平成15年10月29日判→A−21
(2) イラスト広告事件・・・・東京地裁平成15年11月12日判→D−36
 なお、2003年8月1日号の「裁判例コーナー」の「A-18 減速機事件」は、平成15年11月21日に、最高裁二小において、上告不受理の決定を受けました。これによって下級審判決は確定しましたが、いずれの裁判所も、意匠法の目的は創作保護にあるという本質的問題を理解していないから、このような判決になってしまうのだと思います。

4.このホームページ中の私の論文や論説について、皆様からのご異見や質問のある場合は、ぜひmailでお知らせ下さい。ご返事をします。

5.なお、このホームページに掲載されている私の論文,論説には、著作権が与えられていますので、無断複製を禁止します。引用される場合には、必ずこの出所を明記して下さるようお願いします。All Rights Reserved.