2003年 12月 1日
 


 
近 況 雑 感



 

1.今年もまた師走となり、1年が過ぎる早さを実感します。
 今年は、公私ともにいろいろ多忙な時間を持ちましたが、弁理士の職域にも変化が起りつつあります。われわれ弁理士は、lawyerの一端を担う者としての自覚を持つべきなのに、依然としてそれを認識していない者が多いのに驚きます。拡大した職域を生かすも殺すも、弁理士自身であることを忘れてはなりません。

2.新刊著の「意匠権侵害−理論と実際」が店頭に並んだのは、11月25日すぎでありましたが、印刷の都合でおそくなりましたことをお詫びします。この本のコンテンツは、“Profile”を見ていただければわかります。総論篇と各論篇に分けていますが、この2つの篇はそれぞれ独立した本にすることができるものであり、特に総論篇では、意匠法の哲学の一部を展開しています。この哲学が理解できないと、意匠権侵害の何たるかを理解することができません。
 そして、意匠法および意匠権の本質が理解できれば、その周辺に存在する他の知的財産法および知的財産権の各々を理解することができるのです。

3.先月のこの欄で、あえてメッセージしました日本弁理士会の会長選挙でK氏(木下實三)が当選しました。今回の選挙は、われわれ弁理士の良識が試されると書きましたが、次期会長が約束されて当選していた今年度の総括副会長の木下氏が信任され“イエス”の答えが出されたことに、個人として応援していた私はホッとしています。
 これによって、わが日本弁理士会の対外的な信用は一応維持されたといえるでしょう。
 同時に、今回の選挙の結果は、昨年度から引きつづき、もはやわが会にあっては派閥政治は通用しなくなったことを物語っているといえます。
 そして、特にlegal mindを持たない弁理士に言いたいことは、われわれの小さい社会にあっても、不文律のルールが存在し、これを遵守することは、弁理士の最低限度のモラルであることを忘れてはならないことです。
 そこで、新年度のわが会長は、その言動において常に“われわれ意識”をもち、国民の代理人である弁理士ひとりびとりの立場を忘れないで、特許庁をはじめとする対外的な諸問題に主体性をもって毅然と対処してくれることを、切にお願いします。

4.今月の裁判例の紹介は、次の5件です。
(1) フライパン事件・・・・東京地裁平成15年11月6日判→B1−17
(2) ワイヤブラシセット形態事件・・・・大阪地裁平成14年4月9日判→C1−22
(3) 刺しゅう糸商品表示事件・・・・・名古屋地裁平成15年7月24日判→C1−23
(4) 打撃理論書事件・・・・東京地裁平成15年3月6日判、東京高裁平成15年7月15日判→D−34
(5) テレビアニメ著作権帰属(宇宙艦マクロス)事件・・・・東京地裁平成15年1月20日判、東京高裁平成15年9月25日判→D−35

 なお、各裁判事件に対する私の論説について、ご異見や質問のある方は、ぜひmailして下さるようにお願いします。ご返事をします。

5.このホームページに掲載されている私の論文,論説には、著作権が与えられていますので、無断複製を禁止します。引用される場合には、必ずこの出所を明記して下さるようお願いします。All Rights Reserved.