2003年 9月 1日
 


 
近 況 雑 感



 

 
残暑お見舞い申し上げます。

1.最近、マスコミの話題になっている2つの商標問題があります。その一は“阪神優勝”であり、その二は“NPO”です。
 調べてみると、前者は千葉県流山市の個人が、「阪神優勝」の言葉を図形で囲んだ構成態様から成る標章を、第25類と第28類を指定商品として、平成13年3月15日に出願し、平成14年2月8日に商標登録第4543210号として設定登録していました。その後の平成14年6月6日には、第24類を指定商品として出願していることもわかりました。新聞情報によれば、阪神球団は買取交渉が決裂したので、登録無効審判を請求するということです。
 後者は、角川ホールディングスが、文字どおりの言葉を、第16類雑誌,新聞を指定商品として、平成14年1月18日に出願し、平成15年4月25日に商標登録第4665822号として設定登録していました。これに対しては、NPO関係者が、朝日新聞の「文化欄」(7月22日夕刊5頁)や「私の視点」(8月13日朝刊8頁)に論陣をはっています。
 しかし、いずれの商標についても、特許庁の審査官が、商標の意義やその社会的背景を理解して慎重に考えれば、拒絶を志向することができたかも知れない。いずれの商標についても、商標法4条1項7号,10号,19号あたりが、適用の検討規定となるでしょう。

2.新著『意匠権侵害−理論と実務−』はようやく全部脱稿しました。新著は、経済産業調査会から刊行されますが、10月になると思います。紹介している裁判例の数は、旧著からの分は50件、過去10年間の新しい分については60件、計110件です。
 第1篇(理論篇)と第2篇(事例篇)に分れています。ご期待下さい。

3.今回の裁判例の紹介は、意匠権侵害をめぐる次の2件です。
(1) 信託財産(組立て屋根)事件(東京地判平13.2.16)
(2) 作業用足場事件(東京地判平15.4.30)

  
4. お知らせ(2003年9月3日) 
         
 9月1日付で発表しました裁判例研究コーナー中の「A−20」は、すでに昨年5月1日に発表したA−11と同一事案でした。したがって、「A−20」を削除し、A−11中の「研究」を若干補正しましたので、「A−21作業用足場事件」をA−20と修正します。ご了承下さい。
 なお、10月号では、最近出ました「立体商標」の出願に対する審決取消訴訟の東京高裁判決を研究したいと思います。ウイスキーの角瓶の形状をめぐる商標法3条1項3号と2項の適用をめぐる攻防戦が明らかになっています。

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