2002年10月1日
 


 
近 況 雑 感



 
1. ようやく秋の気配がただよい始めた今日このごろですが、裁判所も夏休み期間が開けた9月に入ると、判決言い渡しの量が増えています。その中で、最高裁判所は、エレキギターの登録商標「MOSRITE」に対して請求しました不正使用に基づく登録取消審判における取消審決に対する東京高裁の審決取消の判決を不服として上告していた事件で、上告を受理し、上告は理由ありとして、原判決を破棄しました。この一連の裁判については、G−15で紹介してあります。
また、同じく「MOSRITE」をめぐる東京地裁―東京高裁における商標権侵害事件の上告審において、最高裁判所は平成14年9月24日、上告不受理の決定をしましたので、商標権者(原告)による商標権侵害に基づく諸請求はすべて不可となり、確定した次第です。(F−4参照
「MOSRITE」で残っている事件は、登録無効審決に対する不服の審決取消訴訟だけであり、この登録商標の無効が確定して無権利の状態となるのは時間の問題となりました。

2. 他の裁判例コーナーでは、次の3件を取り上げました。
(1) 周知商標「天一」事件(東京高裁判決)G−14
(2) 「競走馬名パブリシティ権」第2事件(東京高裁決)H−6
(3) 「かえでの木」事件(東京地裁判決)H−7

3.その他の注目すべき裁判例としては、次の事件がありますが、いずれの判決も知的財産権の基本にからむ興味ある事案です。
(1) 「どこまでも行こう」事件:東京高裁平成14年9月6日判決(控訴認容)
(2) 「青色LED特許権帰属」事件:東京地裁平成14年9月19日中間判決(請求棄却)
(3) 「舞台造形美術品」事件:最高裁平成14年9月24日決定(不受理)
(4)「特許権差止請求等の準拠法」事件:最高裁平成14年9月26日判決(棄却)
このうち、(1)(3)の事件いついては、著作物の複製・翻案にからむ問題であり、最近の拙稿で引用している事案です。(2)(3)の事件については、来月のホームページで取り上げて論じます。

4.「第5回アジア・マンガ・サミット」が、10月12日・13日・14日に「パシフィコ横浜ホールB」で開催されますが、優待券が多数ありますので、ご希望者は住所と氏名をお知らせくだされば、郵送いたします。

5.このホームページに掲載されている私の論文,論説には、著作権が与えられていますので、無断複製を禁止します。引用される場合には、必ずこの出所を明記して下さるようお願いします。All Rights Reserved.