2002年8月1日
 


 
近 況 雑 感



 
暑中お見舞い申し上げます。
今年は、エルニーニョ現象が発生しているというのに冷夏の兆しもなく、毎日、沢山の汗をかき、水分を補給し、また汗をかいていますが、皆様にはお変わりございませんか。

1. 今回の裁判例研究コーナーは、2つの判決事件を紹介いたします。一つは意匠法3条2項(創作力)の適用が問題となった「B. 意匠審決取消訴訟」(B−11)であり、他の一つは「意匠権等移転登録請求」事件(A−12)の控訴事件(A−12−1)であり、逆転判決となりました。

2.最近、「キャンディ・キャンディ」の原作者である名木田恵子さんのHPを開いてわかったことは、名木田さんが東京地裁に提訴していた「小樽美術館展示」事件(平成14年(ワ)5266号)については、裁判長のすすめによって6月20日に裁判所で和解し、この和解による許諾により、五十嵐さんはその原画の展示を、小樽に限ってできることになりました。そして、これをもって訴訟事件は全部終了したと、名木田さんは言っています。詳しい経緯を知りたい方は、同氏のHPを開いてください。

3. わが国の著作権法の第一人者であり、現在青山学院大学学長でもある半田正夫先生が来年1月に古稀を迎えられるとのことで、その記念論文集に寄稿する論文を昨日、脱稿しました。題名は、「著作物の類似概念―著作物の保護範囲を考える―」です。本ホームページでもすでに紹介している「スイカ写真」事件、「キャンディ・キャンディ」事件、「舞台用美術造形品」事件などを取り上げていますが、今日、「類似」の概念は、意匠権のみならず、美術の著作権の保護範囲を考えるときのキーワードとなりつつあるようです。
この論文は字数に制限がありましたので、意匠の類似と比較した議論をすることはできませんでしたが、その基盤には共通性が存在することを、裁判官らもすでに気付いているようです。来年1月、法学書院から、この「記念論文集」は発行される予定です。

4.私の今年の夏休みは、意匠法の教科書的なものをまとめることと、9月中に開かれる東京高裁の第三,第六,第一三,第一八の民事部における審決取消訴訟の準備をすることに使われることになっています。〔8月13日〜18日事務所は休暇中です。〕

5. このホームページに掲載されている私の論文,論説には、著作権が与えられていますので、無断複製を禁止します。引用される場合には、必ずこの出所を明記して下さるようお願いします。All Rights Reserved.