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2018年1月1日



 
近 況 雑 感

  新年おめでとうございます。

  旧年中はいろいろとお世話になりました。

  今年もよろしくお願い申し上げます。

 

1.さて、昨年、ノーベル賞中の「平和賞」を受けたのは、略称「ICAN」と呼ばれるInternational Campaign to Abolish Nuclear Weapons(核兵器廃絶国際キャンペーン)というスイス国ジュネーブに本部がある団体でした。同年12月10日のオスロにおける授賞式には事務総長のベアトリス・フィン氏と組織の一員で長崎での被爆者であるサーロー節子さん(カナダ国籍)が出席され、スピーチをされました。

 なぜ今頃になってと思ったのですが、北朝鮮における挑発行為などが盛んな昨年中のいろいろな出来事が引き金になっているのかも知れません。

 ところで、ノーベル平和賞といえば、私は昔から、「第2章 戦争放棄」の章を有しかつ「第9条」の規定を有する「日本国憲法」こそ、ノーベル平和賞の対象になり得る資格と偉大な価値を有する業績であると信じているのです。

 第9条第1項は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する。」と宣言しているのですが、同じような規定を有する憲法は、世界の国々においてはまだ存在していないのです。

 また、平和憲法と呼ばれている日本国憲法の第9条の規定こそは、「国連憲章」の中においても明記できる言葉であると思っています。即ち、この文言を「国連憲章」が記述することこそ、国際連合の真の存在意義を、世界の人々に知らしめる崇高な行為であると思います。そのためにも、私は日本国憲法の改正には大反対です。

 同時に、私は大学の憲法の講義において、口角泡をとばして第9条の規定を熱弁された故佐藤功先生を思い出すのです。佐藤功先生のことは、木村草太さんの解説付きで、「復刻新装版・憲法と君たち」という本が現在出版されています(時事通信社 2016)。

 佐藤功先生は、東京帝国大学の助手時に徴兵され、中国北部を転戦された経験の持ち主でもありますが、戦後は内閣法制局において参事官として新憲法の制定作業に当たられたのです。

 その佐藤功先生が長年教授をされていた成蹊大学を安倍晋三首相は卒業されていますから、佐藤功先生の講義を受けたことはないのでしょうか。安倍さんは、憲法改正においては、「あるべき姿を示す」ことを強調されていますが、これは特に第9条の規定について主張しているのですが、そうであれば改正の必要は全くないのです。

 

第2章 戦争の放棄

第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

 

もう一つ昔の話をしますと、私は大学4年時に選択した法哲学の講座で教え受けた峯村光郎先生のテキストとなった峯村訳書W.ザウワー著「法哲学序説」(勁草書房 1958)に刺激を受けたのです。峯村先生は留学中にザウワー教授の指導を受けられたのですが、同教授はその著書の中で、「私は75才をすぎた今日まで研究を続けてきたし、幸いにして生きながらえることができるならば、今後ともさらに研究を続けて社会の役に立ちたいし、世界各国に寄与したい。」(日本語版への序文)と述べておられます。

 私もこのザウワー教授の言葉に刺激を受けて実務のかたわら、知的財産権法分野の研究をこれからも続けて行きたいと思っています。例えば、意匠(Industrial design)の法的保護のあり方を知るためには、意匠法の存在意義とその本質をよく考えて理解しなければならないのです。意匠法の実務はその上に立っているのですから、実務家にとっても哲学を学ぶことは、それを職業としている者としては忘れてはならないものでありことなのです。この真理は、特に近年の弁理士試験合格者の90%近くを占める(法文系は10%)理工系出身の弁理士に対して言いたいのです。哲学とは、事物の考え方の道を論理的に考える学問ですから、誰にでもできるのです。

 

3.実は、私は昨年1月1日の本欄において、長年あたためている意匠法に関する「教科書」を出版することを書きましたが、まだそれが実現できなかったことを残念に思っています。原因は、結局、それに費やすだけの時間が十分にないからです。教科書の発行は、長年、意匠法の研究をして来た自分に課した義務ですから、実現するように努力を続けたいと思っています。幸いにも、意匠法等の改正の動きはまだありませんが、わが国には応用美術という死語が知的財産高等裁判所において目を覚まされた状況があるので、これを早く墓場に戻してやりたいと思っているのです。そして、意匠法の存在意義を、わが国の裁判所においても、大学においても、正確に理解していただきたいと思っているのです。

 

4.今月の「裁判例研究コーナー」では、次の4件について紹介します。

 

(1)登録商標「図形」不使用取消審決取消請求事件:知財高裁平成29年10月19

   日(2部)判決<請求棄却>➡G−241

(2)登録商標「BROOKS」不使用取消審決取消請求事件:知財高裁平成29

   年10月19日(2部)判決<請求棄却>➡G−242

(3)登録商標「ART」商標権侵害差止等請求事件:東京地裁平成29年11月8

   日(民40部)判決<請求認容>➡F−69

(4)登録商標「スマイル図形」無効審決取消請求事件:知財高裁平成29年11月

   28日(2部)判決<請求棄却>➡G−243

 

 

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