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2017年10月1日



 
近 況 雑 感

1.私は、毎日持ち歩く鞄の中には、毎日目を通している朝日新聞の「声」欄で感銘を受けた記事のページを入れておきますところ、ややおそくなりましたが、今年8月20日(日)に掲載された石川勝司(無職・埼玉県89才)さんの投稿記事を紹介します。

 石川さんが中学1年だった1941年月に会社員だった兄さんが召集され、太平洋戦争開戦前ではあったが、中国との戦争は続いており、家の前で行われた壮行会では、町内会長や国防婦人会会長らが、「天皇陛下のために死んで帰れ」とか「靖国の神となれ」などとお決まりの送辞を述べたというのです。これに対し兄さんが発つ時、その背に向かって母親が叫んだ声は「よっちゃん、死ぬんじゃないよ。母ちゃん待ってるからね。」

 その後、兄さんは中国から沖縄への途上、船が撃沈され、たどり着いた鹿児島県の徳之島で終戦を迎え、無事母親の下へ帰ったとのことです。私は、このような記事を投稿された方と、これを採用した新聞に敬意を表したいと思っています。この投稿内容は、戦争反対を大声でアピールしているのです。

 また、9月10日(日)の朝日新聞の「声」には、本田義典(高校教員・北海道45才)さんは、核実験を強行した北朝鮮への国際的批判に対して批判し、米国CNNが8月に発表した世論調査では、北鮮への軍事行動を「支持する」が50%で、反対の43%を上回っているが、戦争になれば北韓に暮らしている一般人が犠牲になることは「われわれ日本人は先の敗戦で学んだはず」だというのです。朝鮮半島は北鮮であれ南鮮であれ、かつては日本国の統治下にあった植民地で、日本人も移住していた事実は歴史が教えている通りであることを考えれば、両国政府のリーダーはもう少し相手国の国民のことを考えて戦争の是非を自問してほしいと思います。 

 

「戦争知らぬ世代の防衛論危うい」と題した朝日新聞の「声」に、飯村博(東京都89才)さんの投書が掲載されていました。この人は、72年前、学徒動員で、日立市の工場で働いていたところ、1945年6月10日にB29の大編隊が押し寄せ、空襲で多くの人が亡くなったが、自分は代休であったので、工場から遠く離れた寮にいて助かったというのです。そこで、工場へ行って見ると、防空壕はつぶれて、多くの人が亡くなっていたというのです。この飯村さんの体験は、北鮮のミサイル発射によるJアラートは「頑丈な建物や地下に避難して下さい」というわが国政府や自治体からのメッセージに対して、標題にあるとおりの抗議となっているのです。

 私もその昔、わが家の畠に掘って建造した防空壕に、母親が家から持ち出した家財道具などが、近くの学校のグランドで一夜を明かして帰宅してみると、全部焼失していた事実を、昭和20年8月1日の新潟県長岡空襲で経験しています。

 

私が本欄(今年6月1号)で取り上げて紹介したマンガ家の佐藤秀峰さんの対アマゾン問題は、ついに佐藤さんがアマゾンジャパンを、著作権がからむ契約不履行事件で訴え、その第1回の口頭弁論が9月11日に東京地裁で行われました。

 この事件は、インターネット通販大手のアマゾンジャパンが、電子書籍読み放題サービスの中から、採用作品を一方的に削除したことから、得られる配当が減ったとして、佐藤さんがアマゾンジャパンに対し、約2億円の損害賠償を求める訴えを起こしたのですが、アマゾン側は争う姿勢を示したというのです。

 訴状によると、アマゾンは、昨年8月から、月額980円で和書12万冊などが読み放題になる「キンドル アンリミテッド」を開始し、利用者のダウンロード数に応じ、書籍を提供した出版社側に利益の半分を配当する仕組みで、ダウンロード数が多い作品には支払額を優遇したという。佐藤さんは自身の会社を通じて、自作の「海猿」「新ブラックジャックによろしく」など約190冊を提供したが、1か月後にアマゾン側から「開始1週間で登録者数が予想を超え、出版社への支払いが想定額を上回ったことから、現条件での継続は難しい」と支払い条件の変更を求められ、拒否すると全作品が削除されたというのです。これに対し、佐藤さんは「多くの作家が配信を一方的に停止され影響を受けた」と指摘しています。

 こういう問題は、当事者の契約前における問題点についての話し合いがよく出来ていなかったことが想定されますから、裁判所において話し合いがなされるかも知れません。

 

やはり私が本欄で(昨年10月1日号)で取り上げていたJASRACが、町の音楽教室に対する音楽の著作権に属する演奏権の侵害に関する裁判が東京地裁で始まったことに対する投稿が、朝日新聞9月18日(月)の「声」に掲載されていました。投稿者の青田真紀(添削指導員・愛知県52才)さんは、原告は音楽教室での演奏には公衆に直接聞かせる目的で演奏する「演奏権」が及ぶと主張するのに対し、教室側は演奏は練習であり演奏権の行使ではないと反論しているという。投稿者は、やはり音楽教室で楽器を弾く時は演奏とは思っていず、部分練習が殆どだという。そして、教室が演奏権の対象となるというのなら、自家で父母が子供に教える場合はどうなるのか。教育の場合には、演奏権は及ばないのではないかという主張です。

 著作権法35条1項によると、「必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、・・・・著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りではない。」と規定していますから、民間教室では必要と認められる限度で、著作権者の利益を不当に害することとならない場合であれば、音楽著作物の複製は免除されると解することができるのです。いずれの判断になるのか、裁判所の判決が期待されるところです。

 

私は、今年8月1日号で、「ハローキティ」について書いている日系人の大学教授の著書を紹介しましたが、これは日本人による翻訳書であり、訳者の氏名を欠落して失礼しましたところ、9月30日朝に訳者の久美薫(くみ・かおる)さんからメールをいただきました。これによりますと、私の商品化権の著書や論文に刺激されて、自分なりのキティ論をまとめたつもりです、と前記訳書において記述されています。それは、「訳者あとがき」の「マジョリティとマイノリティのはざまで」に15ページにわたって論じられているのです。ということは、久美さんは単なる翻訳家ではなく、キャラクター問題の研究者であるといえるようです。そのような方の翻訳書は、著書の内容の評価を高め、読者に対して説得力を与えているのです。

 

新聞には有名人の死亡記事が掲載されるところ、9月28日(木)の朝日新聞には新井淳一さん(85才)の名前が出ていました。新井さんは、金属や化学薬品を使って光沢や透明感を生み出す布を開発し、70〜80年代には三宅一生や川久保玲ら、著名な服飾デザイナーに素材を提供していたテキスタイルプランナーと呼ばれた人物であります。

 もう1人は米国人で、ヒュー・ハフナーさん(91才)で、「プレイボーイ」の創刊者であり、1926年シカゴ生まれで、創刊号の表紙にはマリリン・モンローを起用した人です。老衰のためビバリーヒルズの自宅で9月27日に死去されたとの記事が、朝日新聞の9月29日(金)に掲載されていました。

 

7.今月の「裁判例研究コーナー」では、次の3件について紹介します。

 

(1)商品形態「ユニットシェルフ」不正競争防止法差止請求事件:東京地裁平

   成29年8月31日(民46部)判決<請求認容>➡C1−76

(2)登録商標「靴図形」一部取消審決取消請求事件:知財高裁平成29年9月14

   日(2部)判決<請求棄却>➡G−235

(3)出願商標「Advanced Midwife アドバンス助産師」拒絶審決取消請求事件

   :知財高裁平成29年9月14日(2部)判決<審決取消/請求認容>

   ➡G−236

 

     

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