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2020年11月1日



 
近 況 雑 感

1.われわれの仕事とは関係のない出来事ですが、88才になるという元工業技術院院長のX氏が起こした自動車運転中の人身事故における裁判において、犯人自身は自動車自体の故障を原因とし、アクセルとブレーキのペダルの踏み違いとする自己責任を棚に上げていることに対し、東京地裁の裁判官らはどのように判断するかは12月中に行われる言渡し判決によって明らかになりますが、老人が犯した犯罪行為に対して全くの第三者である私の感想を述べたいです。

 まず高齢者は、自動車の運転を止め、家族に若い者がいればその人に運転させるとか、誰もいなければタクシーを呼んで外出すればよいのです。

 私自身の経験からすれば、私が社会人になってからの人生観は、車の運転は専門家にまわせろ、特許出願は専門家であるオレにまかせろ、であったのです。だから、地方にいて自宅や事務所から外出したり帰る時はタクシーという専門家に任せていたのです。出張などの場合は、電車や新幹線があるし、車内においてはいろいろなことが自由にできるから、原稿も書いています。その方が高級車を買って高い税金を支払ったりすることを考えれば、また自分で運転して事故を起こすことを考えれば、はるかに安上がりなのです。

 特許出願や意匠・商標登録出願の代理を、その道の専門家である弁理士に依頼するためには費用がかかりますが、その内容のつくりや手続きは間違いなくやってくれるのです。

 なお、前記自動車運転事故による判決は間もなく出るでしょうが、私は裁判官であれば、過失致死罪が成立するによる刑法第210条を適用して有罪判決にします。

 ところで、この事故は刑事事件の裁判で終わるべきものではないと思います。家族2人の生命を奪われたことによる不法行為となりますから、損害賠償請求も成立することになると思います。この民事訴訟は現実にはまだ起きていないようですが、原告となる人はそれを忘れているのかも知れません。この件については専門家である弁護士に相談すればよいのですが、その損害賠償金額には弁護士費用として最低10%を加算することが出来るのです。

 私がなぜこの事件のことを本欄で取り上げたのかと言いますと、TVで笑顔の母子2人の映像を見せられたからです。愛する2人の肉親を失った若い父親の気持ちに同情するからです。

 

2.以前から注目されていた「核兵器禁止条約」の批准国・地域が、10月24日に条約の発効に必要な「50」に達しましたので、2020年1月22日に発効することになりました。しかし、75年前に米国軍により広島,長崎に被爆を受けた日本国にあっては、現在は、米国の「核の傘」の下にあるということから、日米同盟を優先するために批准していないのです。

 しかしながら、これではわが国は独立国ではなく、米国の植民地のような立場にあり、かつて被爆した犠牲国であったことを忘れてしまったのでしょうか。

 この条約の前では、独立国として存在する以上、わが国は批准して当然であると思います。これは全国民の願いであり、世界人民の共通の思いであると思います。

 

3.当所とは公私ともに親交のある韓国のKim&Changから10月20日にメールが入り、「3倍賠償制度」が商標権侵害とデザイン権侵害事件に対しても導入されることになり、10月20日公布と同時に施行されることになったとのことです。3倍賠償制度は、すでに2019年7月9日の改正特許法や不正競争防止法や営業秘密保護に関する法律ではすでに導入されて施行されています。各法における3倍賠償制度に関する規定はほぼ同一であり、

1 侵害行為をした者の優越的地位の有無

[この項目と関連し、商標法のみ「侵害行為により該当商標の識別力または名声が損傷された程度」のように異なって規定している]

2 故意又は損害発生のおそれを認識した程度

3 侵害行為により特許権者及び専用実施権者が受けた被害の規模

4 侵害行為により侵害した者が得た経済的利益

5 侵害行為の期間・回数など

6 侵害行為による罰金

7 侵害行為をした者の財産の状態

8 侵害行為をした者の被害救済努力の程度

 この制度は、判例法主義の米国から導入されたものでしょうが、わが国においても導入を検討すべきであるという声も強いのです。

 

4.「ツツミキョウヘイ」という音楽家の名前は、ラジオからよく聴いていました。漢字で書けば「堤恭平」かなと思ったりしていましたが、10月13日(火)の朝日新聞1面での写真入り記事で初めて知ったのです。「筒美京平さん死去」の見出し記事が出ていました。本名は渡辺栄吉で10月7日に誤嚥性肺炎のために死去されました。80才だったという記事です。

 この病気は、気管から出る痰の一部が食道に流れずに肺に誤って入ってしまう重病で、私の友人も入院しましたが、死ぬことはなく退院したのでした。

 東京生まれの筒美京平さんは1963年青山学院大学(学部は不明)卒業後、日本グラモフォン(現、ユニバーサルミュージック)に入社しましたが、67年に退社して独立した作曲家ですが、青学大の先輩には歌手のペギー葉山さんがいますが、在学中に出会いはなかったのでしょうか。

 彼のメロディの特徴については、あの真面目な朝日新聞が同日38面で「歌謡曲の世界に、徹底して研究した洋楽のサウンドを取り入れ、日本のポップミュージックの新たな地平を開いた。斬新でありながら懐かしい哀愁があるメロディは、聴く人の琴線に触れ、日本のポップス史上に燦然と輝くヒット曲を数多く生み出し続けた。」と記載しています。

 私は、作曲家や作詞家の氏名は知らなくても、歌手や曲名はよく知っているものが多いです。@いしだあゆみ「ブルーライトヨコハマ」(1968年)、A朝丘雪路「雨がやんだら」(1970年)、B尾崎紀世彦「また逢う日まで」(1974年)、C太田裕美「木綿のハンカチーフ」(1975年)、D庄野真代「飛んでイスタンブール」(1978年)、Eジュディ・オング「魅せられて」(1979年)、F小泉今日子「なんてったってアイドル」(1985年)、GTOKIO「AMBITIOUS JAPAN」(2003年)

 京平さんがなぜ青学大に進んだのかわかりませんが、入学後にはジャズに傾倒し、ピアノを弾いていたようです。大学の先輩の橋本淳さんに誘われて作曲家を志したというのです。そして、阿久悠や松本隆という作詞家と組み、ヒット曲を生み出し続けたといわれています。松本隆と一緒に撮った写真が「新潟日報」10月14日30面に掲載されており、2人は兄弟のようであり、「右半身と左半身が裂かれるようだ」と別れを惜しんだと松本隆さんは語っています。京平さんの顔はごく平凡な表情をしていますから、それが多くのファンに親しまれたのかも知れません。

 個人的には、庄野真代の歌を聴いて、今度ヨーロッパへ行く機会があれば、トルコ経由で行ってみたいと思ったほどでした。私はこのメロディが好きになったからです。東洋と西洋の文化の交流点であるトルコは今でも憧れる国です。

(10月30日、トルコとギリシャの国境のあるエーゲ海で大地震が起こりました。)

 東京生まれの京平さんは子供のころからピアノを弾いていたと思いますが、音楽大学ではなく、学部は不明ですが普通大学へ行ったのです。青学大には教育学部があったから、そちらのコースを選んだのかも知れませんし、作曲家になるとしても、スペシャリストではなく、ゼネラリストになるために洋楽のサウンドを導入したのではないでしょうか。

 京平さんは、シングル売り上げ歴代作曲家で第1位であると朝日新聞は報じていますが、私は昔カラオケ店で歌った記憶はありますが、自分の音声には合わない難しいリズムとテンポの歌謡曲でした。

           (新潟日報2020年10月14日30面)

 

5.東京駅で買った「新潟日報」10月23日(金)29面と17面に「三条市立大の新設答申」「設置審 近く許可の見通し」の見出しの記事が掲載されており、17面「県央」欄には現在建設中の校舎の写真が出ていました。新大学は、工学部技術・経営工学科の公立単科大学で、来年1月末の校舎完成を目指して、同市上須頃に建設中です。この大学のカリキュラムは燕三条地域の企業と連携して「産学連携実習」を特色としているというのです。この新大学は10月23日に正式に大臣許可されました。

 このような地方の単科大学ではあるけれども、ものづくりのためには必要な科学技術によって創作される発明,考案などを保護する特許法,実用新案法,意匠法等の産業経済法についての学習教育する講座を設置することをお願いしたいものです。

 隣接する長岡市には以前から、長岡造形大学が設置されていて優秀な人材や創作性の高い造形芸術作品が誕生していますから、三条市立大学においても期待されるのです。

           (新潟日報2020年10月23日17面)

 もう一つ、新潟日報10月14日(土)の21面に紹介されていた人物について書きたいと思います。それは、数学者でエッセイストと肩書のある藤原正彦さん(77才)と俳優の新津ちせさん(10才)についての記事です。藤原さんが有名な数学者であることは以前からよく承知していましたが、エッセイストの肩書を有する人物とは知りませんでした。私自身、エッセイストならぬ日常生活で見聞きすることを書くことは好きであり、紙と鉛筆さえあれば、電車の中でも書いているのですが、数学という授業は苦手であり、嫌いな学科でした。

 これは生まれつきの才能であると私は諦めていましたが、藤原さんの話を新聞で読むと、新聞が好きな私の思いと同じようなことを発言されていることに気が付きました。藤原さんは、「新聞は世界に無限にある情報の中で、何が本質的なものかを示し、正しく方向づけてくれる。それ自体では単なるジャンクにすぎない個々の情報も、この過程を経ることで、正しい知識として読者が摂取することができるものになる。新聞で身につけた知識を読書によって組織化して、教養にまで高める。この段階を踏むことで、初めて大局観が生まれてくる。そして、大局観がなければ適切な過程はできない。」と言われていますが、このような思想を描くのは数学者だからなのだろうかと質問したくなるところ、平凡な人生観しか持たない私にはよく解る思想です。

               (朝日新聞2020年10月14日21面)

 

6.今年も秋になり、「文化勲章」(5人)と「文化功労者」(20人)に該当する人物が決定しました。その中に「文化功労者」として漫才師の西川きよしさん(74才)が入っていますところ、彼は1986年から参議院議員を3期務めましたが、政治家としての活動で目立ったことは何もありませんでした。彼はかつて横山やすしとのコンビで面白い漫才を演じていましたが、西川は顔の表情と合わせて独特のお笑い芸人であありました。しかし、芸自体は創作品であったのです。笑い芸人の場合は、過日死去した志村けんさんがそうでありましたが、本質的には真面目に考えながら、笑劇を創作していたのです。そういう笑劇でなければ、他人の心には入り込めないのです。ダジャレや思い付きの笑いでは他人の心を愉快にすることはできないのです。 

 

7.アニメ映画の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(外崎春雄監督)の興行収入が107億円に達したと、配給会社の東宝が10月26日に発表した、と新聞各紙は報道しています。

 私は現在、日本アニメーション学会の会員であり監事をしていますが、マンガのキャラクターの商品化権問題についていろいろ議論したいと思い入会しましたが、前記劇場版アニメの映画は、個々のキャラクターの動きよりも画像全体のアクションストーリーが面白いのではないでしょうか。それが、静止画であるシリーズ漫画とは違う良さでしょう。新聞によれば、全国403館で上映され、観客動員は788万人を超えたというのです(朝日新聞2020年10月27日33頁)。私はTVでさわりしか見ていないからよくわかりませんが、人殺しに絡むもののようですから、面白いといえるようなものではないようです。私はこのアニメの原作者の名前は知りません。(このアニメマンガの原作者は「吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)」という名前の人です。(追加:産経新聞2020年11月3日22面から))

 なお、登場人物の図形や名称などについては将来、商品化権問題が起こるため、著作権法による保護で十分かという問題が出てくるかも知れませんが、キャラクターの画像や名称についてはまず著作権法による保護があると解してよいと思います。しかし、それはごく一時的な問題です。最近のTVによると、中国では名称や画像を入れたコピー商品などが各地で製造され販売されており、日本へも輸出しているようです。

 余談ですが、現在、国会等において問題となっている日本学術会議という国の公的機関に、日本アニメーション学会設立時から所属していますが、理由はアニメの学術的研究機関として学会の存在意義があるというよりも、学会を創設した初代会長が東京大学の心理学の教授であったからであると思います。

 一方、私は会員であるも日本マンガ学会は日本学術会議に所属しているとは聞いていません。同学会の現在の会長の竹宮恵子さんは、マンガ家であり京都精華大学の教授です。  

 

8.新潟市が生んだマンガ家としては、「ドカベン」の作者の水島新司と並んで、著名なマンガ家としては「うる星やつら」や「犬夜叉」等の作者の高橋留美子さん(63才)がいますが、今年の秋に紫綬褒章を受章されました。留美子さんは女性ですが、一貫して少年漫画誌「週刊少年サンデー」に連載しています。

 

9.最後に、著名な英国の俳優のショーン・コネリーさんが死去されました(90才)。英国のスパイ映画で主役ジェームズ・ボンドを演じた人物です。

                            (産経新聞2020年11月2日23面から)

 

 

10.今月の「裁判例研究コーナー」では、次の4件について紹介いたします。

 

(1)「漫画WEB無断掲載」著作権侵害損害賠償請求事件:東京地裁令和2年

   2月14日(民40部)判決<請求一部認容>➡D−135

(2)「漫画WEB無断掲載」著作権侵害損害賠償請求控訴事件:知財高裁令和

   2年10月6日(3部)判決<控訴棄却>➡D−135−1

(3)大学の名称「京都美術大学」不正競争行為差止請求事件:大阪地裁令和2年8月

   27日(26民部)判決<請求棄却>➡C2−49

(4)登録商標「富富富」無効審決取消請求事件:知財高裁令和2年9月23日(2

   部)判決<請求棄却>➡G−289

 

 

11.このHPに掲載されている私の論文,論説には著作権が与えられていますので、無断複製を禁止いたします。もし引用される場合は、必ずその出所を明記して下さるようにお願いいたします。 All Rights Reserved.


 
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