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2017年3月1日



 
近 況 雑 感

丸山昭さんといえば、講談社「少女クラブ」の元編集長で、石ノ森章太郎,赤塚不二夫らのトキワ荘に集まった多くのマンガ家を育て、編集者として手塚治虫作品を手掛けられていたが、昨年12月15日に86才で死去された、と今年2月8日付朝日新聞が報じていました。丸山さんは、2001年に第5回手塚治虫文化賞特別賞を受賞されていました。ちなみに第1回特別賞は、日本マンガ貸本店の経営者の内記さんであり、同賞はその後第10回日あたりでは同人誌会を発足し発展させた米沢さんが受賞されました。

 マンガ家といえば、広島在住のこうの史代さんがいますか、彼女の原作「この世界の片隅に」のアニメを、私は出張した新潟市の映画館の最終日に見ました。これは、広島・呉市を舞台にした昭和19年・20年頃の18才で結婚した少女の日常生活を描いたアニメであり、大小多くの軍艦にまじって武蔵や大和という戦艦もいた軍港がよく見える丘の上からは、8月6日朝、広島の方向の空に白いキノコ雲が昇っていた風景がありました。

 私は、こうの史代さんの話を3年ほど前に広島市で行われた日本マンガ学会の大会で聞いたことがありますが、このアニメでは原爆のことが話題になっていたものではありませんでした。こうの史代さんは、マンガ学会では同地出身のマンガ家である「はだしのゲン」の作者(中沢啓治)について話をされていたように思います。

 なお、前記アニメの制作には、映画の製作と同様に非常にコストがかかることから、ネット上でクラウドファンディングをして資金を集めたといわれていました。その事実は、映画の最終ページで多数の出資者の氏名が出ていましたが、新聞によれば1月9日現在、11億円の収入を記録する大ヒット作品となっていると報じていましたから、その中からクラウド支援者に対しては利益が配当されます。この作品監督の片渕須直さんは、第90回「キネマ旬報」ベストテンで、28年ぶりにアニメ作品が日本映画第1位に選出され、同時に日本映画監督賞も授与されました。(産経新聞平成24年1月15日2頁「きようの人」より)

 

最近のマスコミ情報によりますと、ピアノやギターなどの楽器メーカや販売店などが開設している「音楽教室」における演奏の練習に対しても、JASRACが、そのような行為は、「著作者は、その著作物を公衆に直接聞かせることを目的とし演奏する権利」(著22条)の侵害となると解して、予め著作権料を徴収する方針を決め、2018年1月から徴収を始めるというのです。

 しかしながら、法22条は公衆に聞かせることを目的とする演奏の場合についての規定ですから、教育目的で内々で練習している生徒である演奏者は、この規定要件に該当する者ではないというべきです。この著作権問題は、地方の弁護士会でも問題視しており、例えば新潟県弁護士会では2月15日、会長談話を発表し、文化の発展に寄与するという著作権法の目的に配慮すべきだとしてJASRACに方針の撤回を求めた、と地元紙は報じています。日弁連の元会長である山岸憲司さんは新潟県見附市の出身ですから、日弁連としても反対声明を出してはどうですか。

 したがって、JASRACは文化庁や法学者らとよく相談するとともに、著作権法の存在意義についてよく考えてみるべきでしょう。

 

3.著作権といえば、例えば2月18日(土)の朝日新聞38頁の「社会面」には、3人の著名な著作権者の死去が報じられていました。1人目はオランダの絵本作家のディック・ブルーナーさん(89)で、うさぎのミッフィーで知られています。2人目は「コロボックル物語」シリーズなどで知られている児童文学作家の佐藤さとるさん(88)で、1995年に出版された「だれも知らない小さな国」は、それまでわが国の児童文学になかった本格的なファンタジーとして評価された作家であるといわれています。3人目は歌謡曲の作曲家である船村徹さん(84)で、「別れの一本杉」(1995)の春日八郎,「王将」(1961)の村田英雄,「兄弟船」(1982)の鳥羽一郎,「矢切の渡し」(1983)の細川たかし,「みだれ髪」(1987)の美空ひばり,「北の大地」(1991)の北島三郎らの演歌を世に出し、昨年わが国の歌謡界で初めて文化勲章を受章した人であります。 

   

        (朝日新聞2017年2月18日38頁から)

 

4.本欄の2月1日号に書きました杉山千佐子さんのような空襲被害者とは別に、広島と長崎で被爆した親たちを持つ「被爆2世」の25人が、2月20日、2世への援護策をとらなかった国の責任を問い、1人当たり10万円の国家賠償を求めて長崎地裁に提訴しましたが、その前の2月17日には広島で被爆した親を持つ被爆2世の22人が、広島地裁に集団訴訟を起こしたのです。

 国としては被爆2世の人数を把握していないが、協議会では全国で30万〜50万人と推計しているといわれています。

 なお、全国空襲連の今年2月14日発行「連報 No.3」によりますと、東京大空襲訴訟原告団の副団長を務めた清岡美知子さん(95)が死去されたとのことですが、来る3月10日は東京大空襲から満72年となります。早期に立法化が実現し、被害者に対する補償金の支払いが実現することを期待しています。私は全空連会員の1人です。

 

5.今月の「裁判例研究コーナー」では、次の5件について紹介します。

 

(1)「加湿器」商品形態不正競争差止等請求事件:知財高裁平成28年11月30日

   (2部)判決<請求認容>➡C1−71−1

(2)登録商標「がばい よか石けん」商標権侵害差止等請求事件:知財高裁平

   成28年11月30日(4部)判決<請求棄却>➡F−62

(3)登録商標「赤帽」商標権侵害損害賠償等請求事件:東京地裁平成29年1月

   26日(民46部)判決<請求棄却>➡F−63

(4)登録商標「新高揚」商標権侵害差止等請求事件:東京地裁平成28年12月21

   日(民40部)判決<請求棄却>➡F−64

(5)登録意匠「美容用顔面カバー」意匠権侵害差止等請求事件:大阪地裁平成

   29年2月7日(21民部)判決<請求棄却>➡A−69

 

     

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