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2019年8月1日



 
近 況 雑 感

        今年も酷暑お見舞い申し上げます。

 

1.今年も「白菊」花火の季節がやって来ました。8月2日・3日は長岡市の花火大会で花火アーティストの嘉瀬誠次さんが創作した「白菊」(登録商標)が開花します。この花火は、「異国の丘」のシベリヤに抑留されて亡くなった戦友に捧げる祈りを込めた花火なのです。1日前の8月1日は、昭和20年のその日の夜、長岡市がB29群の大空襲によって焼野原となった記念(?)日です。当日は、小学校の夏休みが始まった日でしたが、夜中の空襲警報のサイレンによって起こされ、私ども家族は、一ど避難した畑の中に作られた防空壕から出て、近くの学校のグランドで一夜を明かしたのです。翌朝、焼失した家の米びつに残っていた焦げ米と焦げた味噌で、おふくろが作ってくれた雑炊の味は今でも覚えています。

 余談ですが、花火自体は瞬間に開いて、瞬間に閉じてしまう動画のような美術の著作物の一種であると、私自身は考えていますが、皆様はどうお考えでしょうか。舞踊の振り付けや踊り方には著作権はありますので、それと類似するような問題であると思います。

 

2.本欄において以前にも紹介しましたが、ロンドンの大英博物館では現在も、日本マンガの歩みを紹介する「Manga」展が開催中で、この展示会を企画した日英両国の関係者の工夫が随所に光り、マンガに慣れ親しんでいる日本人にとっても、学ぶことが多い内容となっていると、産経新聞は写真入りで報じています。(2019年6月30日10頁)

 同紙によると、同展仕掛人のルマニエール教授は、「多くの英国人はまだ、漫画とアニメの区別がついていない」といわれ、英国人は漫画の認知度はまだ低く、独自の漫画文化をもつ仏国と異なり、漫画は子供が読むものとの見方が根強いといわれています。同時に、ロンドンで開催中の「浦沢直樹―漫画という美術」展で浦沢さんも、英国を「欧州最後の漫画不毛の地」と表現していると言われています。

      

                   (産経新聞2019年6月30日10頁) 

 

3.同じマンガのことでも、産経新聞が、海賊版サイトの「『漫画村』逮捕/文化の泥棒は許されない」の見出しの論説を発表しています。(2019年7月13日2頁)

 これは、人気漫画の海賊版サイトの元運営者らが著作権法違反容疑で逮捕されたが、容疑は集英社の「ONE PEACE」の画像ファイルを、ネット上に無断で公開したことによる同社の著作権侵害問題であります。

 海賊版サイトに対し出版社などは、個別的に削除要請をしているが限界があるし、類似サイトの開設,閉鎖を繰り返したり、海外サーバーを経由するなど、運営者を突き止めにくいとされています。しかし、ネット上から違法にダウンロードした対象を漫画などの静止画を含む全著作物に広げる著作権法改正案に対し、反対意見が出たため見送られましたが、盗用された海賊版を、ネット上で使用することこそ問題ですから、法改正を急推進すべきであります。

 

4.朝日新聞7月10日34頁にはJASRACによる著作権料訴訟の記事が出ていました。この訴訟は、音楽教室を運営する事業者が被告となっている事件で、7月9日に東京地裁で開かれた口頭弁論では、ヤマハ教室で約2年間、生徒として潜入調査をしたJASRAC職員と教室のピアノ講師らが証人として出廷し、演奏状況などについて証言したというのです。

 争点は、音楽教室での演奏が「公衆に聞かせる目的の演奏」に該当するかにあるところ、ピアノ講師は「技術を伝える目的の演奏で、曲を聞かせる目的ではない。」と反論したという。そして、講師の演奏は「曲を聞かせるというより、良い例と悪い例を示すなど弾き方を伝えるものだ」と証言したというのです。

 これらの記事を私は読んで、第三者の立場からの感想を言えば、JASRACの主張は常識外れというべきです。しかも、その事情聴取は、正攻法とは言えない汚い方法によるものです。東京地裁では民事第何部に係属しているのか不明ですが、被告有利の和解を進めるべきではないでしょうか。

 

5.また有名人が死去されました。その1人は多くの歌手や芸能人が所属し育成したジャニー喜多川さん(87才)が7月9日に入院中の病院で、もう1人は評論家としてTVやラジオに登場していた竹村健一さん(89才)です。

 ジャニーさんは、1931年僧侶だった父親の活動のために訪米したロサンゼルスで誕生し(本名:喜多川擴・きたがわひろむ)、戦後、訪米した美空ひばりの通訳をして、ショービジネスの基礎を学んだというのです。その後、帰国して1962年に「ジャニーズグループ」のマネージメントのための事務所を大阪で設立したというのです。(朝日新聞7月10日1頁)彼は、歌って踊れる多くの男性アイドルを定着させたエンターテイナーの生みの親であります。

 竹村さんは、パイプを片手にくわえて関西弁で歯に衣着せぬ物言いが人気を集めた評論家であり、私も好きな評論家の1人でした。

 外国人では、ブラジル人で「ボサノバの父」と呼ばれているジョアン・ジルベルトさんが亡くなりました。「イパネマの娘」は世界的な大ヒットをした曲であり、ギターによる軽いテンポのメロディーで、多くの日本人が知っている曲です。リオデジャネイロの自宅で死去されました(88才)。

 

6.東京駅の中に地方紙の売店がありますが、新潟へ出張すると新潟駅で必ず買うのは「新潟日報」で、情報量の多さと質の高さに驚いています。(以下はいずれも2019年7月20日(土)新潟日報より)

 第1に、同日紙21頁に「追想 松岡譲―没後50年」の紙面、「縄文土器造形にぞっこん」との見出しで、長岡市生まれの小林達雄国学院大学名誉教授(県立歴史博物館名誉館長 81才)が述べている記事です。小林さんによると、松岡さんが「すでに、すごい」といっていた縄文土器の何がすごいのかといえば、「縄文土器の口の突起。わざわざ無用の長物を付けたところに特徴がある。従来の考古学の研究だけではなく、造形的な意味にも着目する道をつけてくれた」のであり、「縄文土器の造形に注目した研究の原点は、岡本太郎ではなく、松岡譲だった。」と小林さんは言われています。記者は、松岡さんは1964年東京五輪で火焔土器を聖火台にしようと活動したが実現できなかったので、2020年の東京五輪に向けて小林さんは同様の運動をされているとのことです。私共は、あの火焔土器のデザインに現代人の知恵を連想するのです。(松岡譲の奥様は筆子)

 

 なお、長岡市馬高縄文館(0258-46-0601)においては、今年7月20日〜9月1日まで「馬高式土器とその文化」の展覧会が開催されています。

 第2に、同紙23頁の「文化」欄に、漫画家の「ちばてつやさんインタビュー」として「旧満州引き揚げ体験 若者に」という記事を読みました。ちばさんは、1939年1月17日に東京都で生まれましたが、旧満州奉天(現・中国瀋陽)で育ち、6歳で終戦を迎えたが、間もなく住居を追い出され、翌46年夏に帰国するまでは「地獄の日々だった」と語っています。

 帰国後、漫画家として活躍していたちばさんに、母親の故郷である宇都宮市の文星芸術大学から、2005年に開設したマンガ学科の教授を打診され、「漫画は人から教わるものなのか」と迷ったが、母親に「最後の奉公をしろ」といわれた気がして引き受けたといわれています。ちばさんは、無意識に引き揚げ体験から漫画を描いたことがあり、代表作の「あしたのジョー」の終盤に登場する韓国人ボクサーが、戦時中に飢えに耐えかね、行き倒れの人を殺して食料を奪う場面であり、どぶ川や倒れている人にたかる虫、人間の残酷さが、記憶にふたをしたはずの「地獄の日々」が、無意識に原稿に反映されているというのです。

 ちばさんのインタビュー記事は、終戦から70年以上が経ち、「戦争を知らないとあまり深く考えずに(戦争を)やっちゃえとなってしまう」危機感を持つ。海外の紛争に心を痛め、難民の姿が過去の自分に重なる。改憲で、日本が戦争できる国になってしまうのではとの懸念もある「日本はずっと『戦後』でいてほしい」との思いは切実だ、と記事は結んでいます。

 私自身も、小学校時代に長岡大空襲に会っていますから、戦争体験者の1人であり、戦後の思いを引きずっている人生であります。同日紙で新潟日報社は、5頁の「窓」欄に、テーマ「戦争の記憶」特集を募集していましたから、8月10日〆切を忘れていなければ私も応募してみようと思っています。テーマは、やはりB29による長岡空襲の思い出です。

 

7.70,80は働き盛りと説いたのは京都大徳寺大仙院の尾関宗国師であるところ、加山雄三さん(82才)は8月から全国ツアーを始めるというのです。雄三さんは本名は池端直亮といい、母親の旧姓は大竹で、叔父さんの大竹進さんは弁理士でした。茅ヶ崎市に住まわれていて、鎌倉市に住んでいた私は一度電話で話をしたことがあります。そんな関係かも知れませんが、加山さんは発明家であり、私は代理人としてエレキギター関係の特許出願をしたことがあります。審査請求はしなかったのですが、公開特許公報は発行されています。

 仕事をするということは、心身ともに健全であることを証明しますから、常に自然体で生きていけばよいのです。

 

 

 

8.今月の「裁判例研究コーナー」では、次の4件について紹介します。

 

(1)登録意匠「電子タバコケース」意匠権侵害差止等請求事件:大阪地裁平成

   31年3月28日(26民部)判決<請求棄却>➡A−73 別紙

(2)「サービス」の質・内容誤認表示による損害賠償請求事件:大阪地裁平成

   31年4月11日(26民部)判決<請求認容>➡C2−44 別紙

(3)「眠り猫イラスト」著作権侵害差止等請求事件:大阪地裁平成31年4月18  

   日(21民部)判決<請求認容>➡D−126

(4)「送信可能権侵害」発信者情報開示請求事件:東京地裁令和1年6月20日

    (民47部)判決<請求認容>➡D−127 

 

 

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