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2016年12月1日



 
近 況 雑 感

普通の人生の時間は、何人にも平等に与えられていますので、その時間をいかに使用するかは人さまざまでありますところ、人はその時間を何のために何について如何に使用するかによって、人としての評価がなされます。

 弁理士という職業は、依頼者から依頼を受けた種々様々な内容の仕事を、特許法,実用新案法,意匠法,商標法,著作権法,不正競争防止法等によって、積極的に保護する強い独占排他権を取得する方法を考えて創作することを職業としています。そのためには、従来存した公知の事実を調査し承知しておくことは必要ですが、それらを背景に、文と理とのシナジー効果を発揮した権利や利益を取得することを使命としています。特許法・実用新案法で問題となる新技術の「進歩性」や、意匠法で問題となる意匠の「創作力(創作容易性)」の判断は、こうした文と理とをシナジーした考え方を基礎においてなされるべきであると思います。

 

人が発明することと発見することとは、本質的に異なる似て非なる行為であることは何人も承知していますところ、「原子番号30」の亜鉛(Zn)を加速させ、これに「原子番号83」のビスマス(Bi)を衝突させて融合させると、30+83=113番元素が出来上がることが確認されました。

 それは、実験開始の2003年9月から始まり、2004年7月23日にやっと1つ目の113番元素が合成されたことを確認したのでした。これを確認するには、新元素の陽子数が113個であることを証明すればよいのですが、さらに実験は続き、2005年4月2日に2つ目を確認したのでした。そして2012年8月12日に、ようやく3つ目の113番元素の合成に成功したのでした。

 これは、わが国の理化学研究所,仁科加速器研究センターのスタッフの普段の努力と純国産の装置群とにより、9年間で400兆回の衝突の末、3個目の合成の発見となったのです。この新元素が、人類の生活にどのように貢献することになるのかは、これからの研究となります。以上は新しい科学ニュースとして、http://www.nishina.riken.jp/113/approach.htmlから引用し紹介しました。

 

.「いのちながらへて還るうつつは想はねじ民法総則を言ふを求めぬ」「二十歳のこれの一生に悔いなくてわれほこらかに召されゆくなり」(出陣/東京帝大・吉野昌夫)という短歌に、私は最近接しました。これは、昭和18年(1943)10月21日に当時の神宮外苑競技場で挙行された「学徒出陣」を詠んだ短歌であり、「短歌研究」昭和18年12月号(改造社)に掲載された多くの大学生の中の歌であります。吉野さんが、東大在学中の出陣に際し、我妻栄教授の「民法総則」のことを詠んでいるのは驚きです。(私もこの本は学生時代に民法の基本書として読んでおり、現在も蔵書としています。)

 

以前、この欄で書いたことがある野坂昭如さんの小説「火垂るの墓」の原点となる防空壕に関する記事が、12月2日付の朝日新聞社会面39頁に出ていました。彼は昨年12月9日に85才で死去されましたが、戦時中、養子に出された家は神戸の空襲で全焼したことから、当時14才の野坂さんは2歳位の義妹を連れて、一時西宮市満池谷町にあった防空壕で生活していたのです。2人の生涯についての事実と小説とは、内容にいろいろと齟齬はありますが、野坂さんの1周忌にあたって防空壕の跡地や親類宅などを地元の人々が調査して確認したというのです。私としては、久しぶりに感動した新聞記事に出会いましたので、報告しておきます。野坂さんには、「戦争童話集」中公文庫(中央公論新社 1980)という著書もあります。

 

 

5.今月の「裁判例研究コーナー」では、次の5件について紹介します。

 

(1)「スマートフォンケース」著作権侵害販売差止等請求事件:東京地裁平成

   28年9月28日(民29部)判決<認容>➡D−114 別紙1〜3  

(2)登録商標「NEONERO」商標権侵害販売差止等請求事件:東京地裁平

   成28年10月20日(民46部)判決<請求認容>➡F−61

(3)「フルーツ青汁の商品形態の模倣」不正競争行為差止等請求控訴事件:知

   財高裁平成28年10月31日(2部)判決<請求棄却>➡C1−72−1

(4)登録意匠「手摺」部分意匠の無効審決取消請求事件:知財高裁平成28年11

   月7日(2部)判決<請求棄却>➡B2−20

(5)登録商標「キリン」登録取消審決取消請求事件:知財高裁平成28年11月7

   日(2部)判決<請求棄却>➡G−226

 

     

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