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2017年7月1日



 
近 況 雑 感

経済産業調査会が発行している日刊「特許ニュース」の編集担当者から先日電話を受けた。それは、6月29日号に掲載する新裁判例の評釈記事である「弁理士の眼」は、150回目になるとの知らせでありました。すると、毎月欠かすことなく継続して来た月1のシリーズが12年5か月続いてきたことになりますが、研究が趣味と思っている小生にとっては全く苦にならず、新しい裁判例を読み考えることの楽しさを味わって来たのです。新しい裁判例の紹介は、本欄で示しているように、このHPでも毎月何件か取り上げていますから、休日は専らこの原稿書きに当てているのです。

 このような生活をしている中で欲しいものはやはり「時間」であり「空間」です。すべての人に与えられている「時間」は1日24時間ですから、この制限時間をいかに有効に使用するかは、すべて各自が決めなければならないし、また孤独になり雑音の入らない自然環境の中の「空間」を確保するのも各自が決めなければならないのであり、それが人生というものなのです。時間と空間とは、実在主義哲学者のマルチン・ハイデッカーがテーマとした概念ではありますが、この2つは、この世に生命を与えられた人間にとって、いかに生きていくかの共通のテーマであります。

 京都大徳寺内大仙院住職小関宗圓師が「健康訓」で書かれている「七十八十は働きざかり 九十になって迎えが来たら 百まで待てと追い返せ」は、まさにその証しといえる訓示であります。

 

2.私は、本欄の6月1日号に、JASRACによる音楽教室における音楽著作物の使用に対する使用料徴収に関する問題を紹介しましたが、いよいよ訴訟が開始することになりました。それは、JASRACが原告となって提起した裁判ではなく、音楽教育を守る会が同会会員団体249社で原告団を結成し、音楽著作権者の代理人の立場にあるJASRACを相手に、JASRACによる音楽教育における著作物の使用料徴収に関して、音楽教室でのレッスンには著作権法が規定する演奏権(法22条)は及ばず、JASRACには徴収権限がないことを確認するための「音楽教室における著作物使用にかかわる請求権不存在確認訴訟」であり、6月20日に東京地方裁判所に提起したのです。

 著作物の使用料徴収について、JASRACは9月27日に「音楽教育における演奏等の管理開始について」を公表しており、利用者団体との協議を経て、2017年7月に「使用料規程」を文化庁長官に届出た後、2018年1月から管理を開始する予定であるとしていましたが、JASRACはそれを6月8日に文化庁に届出たというのです。

 公表された訴状によると、「請求の趣旨」は次のように記載されていますが、口頭弁論が何日から開始されるかはまだ不明です。著作権法を管轄する文化庁の対応も注目されるところです。

「一 請求の趣旨
1 原告らと被告との間において、被告は、原告ら(原告一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会及び原告一般社団法人日本弦楽指導者協会 を除く。以下同じ) 本人または原告ら各自が雇用若しく準委任契約を締結した教師と、原告ら各自が音楽・演奏(歌唱を含む。)技術の教授契約を締結した生徒と間で、原告ら各自が設営した教室または生徒の居宅等生徒及びその保護者以外の者の入室が許されない教室において 、同教授契約に基づく授業において行われる別紙著作物使用態様目録記載の態様の演奏における著作物の使用に関して、被告が著作権者から著作物の使用料の徴収を目的として著作権の信託譲渡または徴収の委任を受けて有するところの著作物使用にかかわる請求権を有しないこと確認する、
2 訴訟費用は被告の負担とする、

との判決を求める。」

 

3.今月号は、これで雑感を終わりにして本論に入ろうと思っていました。1日夜になって30日に駅で買った「週刊文春」7月6日号をぱらぱら見ていて、「文春図書館」の「漫画の時間」いしかわじゅんのコーナーに偶然当たり、小林まことのことが書かれていたのです。

 新潟出身の小林まことさんは、新潟市で行われた6月25日(日)午後の日本マンガ学会主催のシンポジウム「マンガとスポーツ」第2部格闘技論に出席されましたが、私は初めて会ったマンガ家です。同学会の理事をしている私は、本欄の6月号で新潟大会のことを紹介していましたから、第17回大会の行事内容について、今月号でもお知らせしたいと思っていたところでした。

 小林さんは高校時代に柔道をしていたことから、「柔道部物語」という連載マンガが終わったと思ったら、こんどは「JJM女子柔道部物語」の連載があり、脚色・構成・作画は小林まことでも、原作は恵本裕子というオリンピック金メダリストが書いているのです。恵本選手はそれほど小林さんの男子柔道部物語マンガを読み評価し、次はぜひ「女子」をと申し入れたのではないですか。

 

          (出典:「週刊文春」2017年7月6日号131頁)

       

4.今月の「裁判例研究コーナー」では、次の5件について紹介します。

 

(1)登録商標「エマックス」無効審決取消請求事件:知財高裁平成27年12月24

   日(2部)判決<認容→審決取消>➡G−229

  ※F−65の登録商標「エマックス」不競法差止等請求本訴・商標権侵害行

   差止等請求反訴事件につきましては、掲載後に判明した事実について若干

   付加しましたので、ご参照下さい。

(2)「テント」商品形態・不正競争行為差止等請求事件:東京地裁平成29年2

   月24日(民40部)判決<請求棄却>➡C1−75

(3)「建築物デザイン」著作者人格権侵害差止等請求事件:東京地裁平成29年

   4月24日(民47部)判決<請求棄却>➡D−119

(4)登録商標「FINESSENCE」無効審決取消請求事件:知財高裁平成

   29年5月15日(3部)判決<請求棄却>➡G−230

(5)登録商標「 」不使用取消審決取消請求事件:知財高裁平成29年6月8

   日(2部)判決<請求認容/審決取消>➡G−231

 

     

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