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2017年2月1日



 
近 況 雑 感

新潟県上越市高田出身の設楽隆一知財高等裁判所所長が定年退職され、同裁判所2部裁判長の清水節部長が昇格して所長になれれました。同時に2部裁判長に森義之判事が就任されました。それは1月27日のことです。

 私は、清水判事のことを東京高裁(知財部)や東京地裁(知財部)の頃から存じ上げており、将来は知財高裁の所長になられる方だろうか思っていました。それほど、知的財産法分野にうんちくの深い判事です。また、森判事も知財部に戻って来られました。

 最近、清水判事を有名にした裁判事件は、幼児用椅子の「TRIPP TRAPP」に係る応用美術論争であり、控訴人代理人(元知財高裁判事)の著作権侵害の主張を認めた判決で、量産する実用性のある幼児用の木製椅子についての事件です。

 私は、この分野の専門家の1人として、この判決理由は意匠法の存在意義を無視した迷判決であると批判したのです。(本HP:D−94−1)

 この問題は、「応用美術」ないし「応用美術作品」についての定義を理解していないところに原因があると私は指摘していますが、裁判所はそれをまずしっかりと理解してほしいのです。この用語を英訳すれば、“artistic work applied to articles”となりますから、この英語を直訳してほしいのです。そして、この問題については、私はかつて著作権情報センター発行の「コピライト」2010年9月号などに発表しています。(本HP 第1−30「現行著作権法改正時の宿題」参照) なお、清水判事は昭和57年8月に徳島地・家裁に勤務され、平成23年9月には徳島地・家裁の所長をされています。

 

有斐閣発行の別冊Jurist No.231「著作権判例百選」〔第5版〕が、小泉直樹・田村善之・駒田泰士・上野達弘の編者によって2016年12月15日にようやく日の目を見ることになりました。同誌の〔第4版〕が2009年12月に発効されて以来であったが、〔第4版〕の編者であった中山信弘と大渕哲也の2人が消えたことから、大渕さんによる異議申立の仮処分申請によって〔第5版〕の発行が中断されていたが、それがようやく有斐閣側の勝訴によって決着が着いたからです。

 この「著作権判例百選」には歴史があり、〔第1版〕〔第2版〕は半田正夫と斉藤博の両先生の編者で発行され、私も最初から著者の1人として登場していましたが、編者が東大側の中山・大渕の両先生となってからは、私の登場する場は消えてしまい、同じテーマの裁判例の紹介が他人にまわされていましたし、その旨の断りの通知は出版社からはありえませんでした。

 前記仮処分申請事件の決定は長文のためここでは紹介できませんが、オープンにされているから関心のある人はアクセスすることができます。

 なお、別冊ジュリスト「商標・意匠・不正競争判例百選」No.188は、2007年11月発行以来、〔第2版〕については未発行になっていますが、同じ編者であることから、同様の問題が発生しているのでしょうか。いずれにせよ、早い刊行が期待されるところですが、この執筆者の中に私がいないことは不思議です。

 1年に1度位、忘れた頃に、著作権使用料として銀行振り込みをした旨の通知が源泉徴収票とともに来ますが、具体的にどの件の裁判例のものかは明らかにされていません。

 

3.以前に本欄に紹介しましたが、2016年10月1日号に紹介しました杉山千佐子さん(享年101才)のことが、朝日新聞1月31日夕刊に「救われず71年」・空襲.見捨てられた民㉗の欄に掲載されていましたので、紹介いたします。この記事は、杉山さんらが以前から主張している戦争の空襲によって被害を受けた者への国家による補償責任のことです。この問題は、戦後70年以上経っても全く解決されていないどころか、無視されていることに対する杉山さんの怒りです。

 筆者の周辺にあっても、米軍による昭和20年8月1日夜における新潟県長岡空襲により多くの犠牲を経験していますが、住人に対し何らの解決もなされていません。

         〔朝日新聞夕刊2017年1月31日.10頁〕

 

4.わが事務所は、1970年以来、秋葉原の地に在るところ、朝日新聞2月1日夕刊の「各駅 844」欄に、地下鉄日比谷線F秋葉原が紹介されています。この地も、米軍による空襲によって焼野原となり、戦後、闇市や露店などが集まりましたが、電気街として発展し、今日ではメイド喫茶やアイドル劇場(AKB48)や日本動画協会なども在るサブカルチャーの発信拠点としても有名になっています。

 そういう話題豊富な秋葉原には、中国人をはじめ外国人の観光客も大勢やって来るようになっています。

 

5.今月の「裁判例研究コーナー」では、次の2件について紹介します。

 

  ※ 「加湿器」不正競争差止等請求事件:東京地裁平成28年1月14日(民46

   部)判決<請求棄却>については、1月号に掲載の予定でしたが、不正

   競争防止法2条1項3号の適用の有無の問題のみならず、応用美術に関

   する著作物性が主張された事案でもありましたので、「特許ニュース」

   今年2月号にまず掲載することにしましたので、ご了承下さい。

(1)登録意匠「手摺」部分意匠の無効審決取消請求事件:知財高裁平成28年11

   月7日(2部)判決<請求棄却>➡B2−20

(2)登録意匠「バケツ」の無効審決取消請求事件:知財高裁平成28年1月11日

   (3部)判決<請求棄却>➡B2−21

 

     

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